レゾナック、米アクシオムと宇宙半導体製造で覚書締結、微小重力で次世代材料開発へ

■ISSや軌道プラットフォームで実証、商業化へ段階的展開

 レゾナック・ホールディングス<4004>(東証プライム)傘下のレゾナックは10月1日、米アクシオム・スペースと宇宙空間における半導体製造技術の革新を目指す覚書を締結したと発表。両社は、微小重力や低軌道の真空条件を利用し、欠陥の少ない半導体バルク結晶や次世代樹脂、2次元材料などの生成可能性を探る。研究は国際宇宙ステーション(ISS)やアクシオム・スペースが構築する軌道プラットフォームを活用し、概念実証から商業規模での製造まで段階的に進める方針である。

 同合意の一環として、レゾナックは既存の共同プロジェクトも拡大する。同社は宇宙放射線が引き起こす半導体デバイスのソフトエラー対策として、新たな封止材の開発を進めており、ISS内外で試作品を評価する予定である。アクシオム・スペース側も、レゾナックとの連携を通じて宇宙空間ならではの純粋な条件を活用し、半導体分野における新しい産業化の実現を目指す姿勢を示している。

 レゾナックは2023年に昭和電工と旧日立化成の統合で発足し、半導体後工程材料で世界トップクラスの地位を有する。2024年度の半導体・電子材料売上高は約4500億円に達した。今回の合意により、レゾナックとアクシオム・スペースは低軌道での製造基盤を築き、地球上および将来の宇宙産業への貢献を視野に入れる。宇宙という極限環境の利用を通じて、半導体材料分野の飛躍的進化と新たな市場創出が期待されている。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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