参天製薬、韓国ノバルティスと眼科用VEGF阻害剤の独占流通契約を締結

■滲出型加齢黄斑変性や糖尿病性黄斑浮腫に対応、治療選択肢を拡充

 参天製薬<4536>(東証プライム)は10月20日、韓国ノバルティスと眼科用VEGF阻害剤「ベオビュ(一般名:ブロルシズマブ)」および「ルセンティス(一般名:ラニビズマブ)」に関する韓国での独占的な流通および販売促進契約を17日に締結したと発表した。契約により、現地法人の韓国Santenが両製品の独占流通権を取得し、韓国国内での販売促進活動を担う。両剤は血管内皮増殖因子A(VEGF‐A)を阻害し、滲出型加齢黄斑変性(wAMD)や糖尿病性黄斑浮腫(DME)などの網膜疾患の進行を抑える治療薬として知られる。

 ベオビュはヒト化モノクローナル抗体一本鎖Fv断片(scFv)で、分子量の小ささから網膜への浸透性が高く、高濃度投与が可能で強力なVEGF‐A阻害作用を発揮する。2019年に米国で世界初の承認を受け、2025年10月時点で79の国・地域で認可されている。ルセンティスはヒト化抗体フラグメント(Fab)で、VEGF‐Aに高い親和性を持ち視力低下を防ぐ効果がある。米国ではGenentech、その他の国ではノバルティスが販売し、韓国ではwAMD、網膜静脈閉塞症(RVO)、近視性脈絡膜新生血管(mCNV)、増殖糖尿病網膜症(PDR)、DMEの治療薬として承認されている。

 参天製薬は今回の契約を通じ、韓国で初めて網膜疾患領域に進出する。同社の中島理恵取締役COOは「眼科専門企業としての知見を活かし、韓国でもより多くの患者に治療薬を届けたい」とコメントした。参天製薬は眼科領域に特化したグローバル企業として、60以上の国・地域で約5000万人の目の健康を支えており、今回の提携を契機にアジア市場でのプレゼンス拡大を図るとしている。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■速乾・吸水機能を備えたブラ&ショーツ、11月7日から応援購入受付  グンゼ<3002>(東証プラ…
  2. 日産自動車 日産 NISSAN
    ■経営再建計画の一環として保有資産を最適化、20年間の賃貸借契約で本社機能維持  日産自動車<72…
  3. ■環境要因は50%、漁獲圧は25%、状態空間モデルで初の定量評価  東京大学は11月1日、日本周辺…
2025年12月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031  

ピックアップ記事

  1. ■売り方手仕舞いで需給改善が後押し  師走相場では、リスクの大きい銘柄であっても、逆日歩のつく信用…
  2. ■師走相場は最終レースさながら、勝ち負け分ける「掉尾の一振」に熱視線  師走である。礼節一点張りの…
  3. ■金利環境改善が銀行株に追い風、逆張りの買いも有力視  今週の当コラムは、銀行株に注目することにし…
  4. ■「トリプル安」も怖くない!?逆張りのバリュー株ローテーションからは銀行株になお上値余地  「神風…
  5. ■気温急低下がシーズンストック相場発進を後押し  今週のコラムでは、バリュー株選好の別の買い切り口…
  6. ■「押し」のAI株より「引き」のバリュー株選好で厳冬関連株の先取り買いも一考余地  「押してだめな…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る