金急落・株高の資産シフト鮮明、4000ドル攻防と日経最高値が交錯

■金相場は過熱修正と投機解消で急落、4000ドル維持が焦点

 金価格が急落し、株式市場が過去最高値を更新するなど、資産市場で明暗が分かれている。10月22日時点で国際金価格は前日の約4350ドルから4050ドルへ下落し、約5%安となった。国内では田中貴金属工業の店頭価格が1グラムあたり2万1830円(前日比1540円安)と大幅安を記録した。ドル高と長期金利上昇が金の割高感を強め、投資資金が株式や債券にシフトしたほか、米FRBの早期利下げ観測の後退、テクニカル要因による過熱修正、中国投機筋の利益確定売りが下げを加速させた。

 一方、日経平均株価は高市新政権の政策期待と円安を背景に史上最高値となる終値4万9185円をつけた。自民党と日本維新の会による積極財政と金融緩和継続の見込みが市場心理を押し上げた。円相場は1ドル=155円台まで下落し、輸出企業の収益改善期待が高まったことも追い風となった。政権交代に伴う内需拡大期待や海外資金の流入も相場を押し上げている。

 今後、金市場は4000ドルが下値の攻防ラインとされ、短期的な調整局面にある。中長期的には各国中銀の金購入拡大や地政学リスク、供給制約が支えとなり、再上昇の可能性も残る。株式市場は高市政権の政策実行力と円安の持続が焦点であり、当面は勢いが続く見通しだが、財政拡張の副作用であるインフレや金利上昇への警戒も必要だ。現局面は「金急落・株高」という典型的な資産スイッチの構図であり、長期投資家にとっては金の押し目買い機会とみる向きもある。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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