キッセイ薬品、「リンザゴリクス」が台湾で販売承認、子宮筋腫向け治療薬「Yselty」として承認取得

■シンモサバイオファーマが承認取得、経口GnRHアンタゴニストが台湾市場へ

 キッセイ薬品工業<4547>(東証プライム)は10月23日、自社創製のGnRHアンタゴニスト「リンザゴリクス」(一般名)が台湾で販売承認を取得したと発表した。台湾食品薬物管理署(TFDA)が承認した販売名は「Yselty(イセルティ)」で、適応症は子宮筋腫。台湾での開発・販売権を持つシンモサバイオファーマ社(Synmosa Biopharma Corporation、台湾)が承認を取得した。

 リンザゴリクスは経口投与可能なGnRH(ゴナドトロピン放出ホルモン)アンタゴニストで、下垂体のGnRH受容体に拮抗してゴナドトロピン分泌を抑制し、卵巣でのエストロゲン産生を低下させることで子宮筋腫や子宮内膜症の症状を改善することが期待されている。キッセイ薬品工業は2022年11月にシンモサ社へ台湾での開発・販売権を許諾していた。

 同剤は日本では子宮筋腫の適応で製造販売承認を申請中であり、子宮内膜症を対象に第Ⅲ相臨床試験を進行中である。海外では英国セラメックス社が欧州で2024年9月に「Yselty」として発売し、同年11月には欧州医薬品庁(EMA)から子宮内膜症の追加適応を承認された。韓国、カナダでも導出先企業による開発が進んでいる。今回の承認により、台湾の子宮筋腫患者に新たな治療選択肢が提供される見通しであり、同社は2026年3月期連結業績予想に既に織り込み済みとしている。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■岡崎医療センターで実証、医療従事者の負担軽減と業務効率化を確認  川崎重工業<7012>(東証プ…
  2. ■全国の介護事業者が安心して選定可能、TAISコード取得で信頼性向上  丸文<7537>(東証プラ…
  3. ■生成AIへの危機感、弁護士の間で高まる  GVA TECH<298A>(東証グロース)は8月21…
2025年10月
 12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  

ピックアップ記事

  1. ■全市場のわずか1.4%、希少な高配当利回り銘柄が浮上  株式市場では、高配当利回りを持つ10月決…
  2. ■「高市祭り」への期待と警戒交錯、資金は安定配当株へシフト  10月終盤相場は、「高市祭り」か「高…
  3. ■自民党総裁選と連立問題が相場を左右、短期急伸と急落を交錯  高市トレードは、まるで「超高速エレベ…
  4. ■東京市場、リスクオンとリスクオフが交錯、安全資産関連株に注目  週明けの東京市場は、米国株反発に…
  5. ■公明党離脱ショック一服、臨時国会控え市場は模索  またまた「TACO(トランプはいつも尻込みして…
  6. ■自民党人事でハト派ムード先行、逆張りで妙味狙う投資戦略も  今週の当コラムは、ハト派総裁とタカ派…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る