フジ日本精糖、塩水港精糖とアライアンス契約締結、製造・購買・物流・開発で包括連携

■共同生産・共同購買・物流効率化などでコスト削減と環境負荷低減へ

 フジ日本精糖<2114>(東証スタンダード)は10月29日、塩水港精糖<2112>(東証スタンダード)とアライアンス契約を締結したと発表した。世界的な気候変動や経済環境の不確実性、砂糖価格調整制度の歪みによる負担増など、業界構造が大きく変化する中で、両社は協業によるシナジー創出を図る。取締役会での決議を経て、同日付で契約を締結し、今後はプロジェクトチームを組成して具体的な連携を進める方針である。

 提携内容は、製造・購買・物流・研究開発の4分野に及ぶ。製造では共同工場の効率化と設備更新を通じて品質向上とコスト削減を目指す。購買面では原料糖の相場や生産地情報の共有、共同配船・共同購買を実施する。物流では倉庫や配送の共同運用によりCO2排出量の削減を図る。研究開発では新素材や小売向け商品の共同開発を視野に入れ、技術交流を促進する。

 提携先の塩水港精糖は1950年設立の老舗で、乳糖果糖オリゴ糖「オリゴのおかげ」やサイクロデキストリンなどを製造販売している。2025年3月期の連結売上高は325億円、経常利益30億円と堅調に拡大。資本金17億5000万円、純資産166億円規模の安定した経営基盤を持つ。フジ日本と塩水港精糖は互いに4.9%ずつ株式を保有し、すでに太平洋製糖で共同生産を行っている。今回の契約は業績への影響は軽微と見込まれるが、業界再編下での競争力強化に向けた重要な一歩といえる。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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