アスクル、10月度売上高98.2%に減少、ランサムウェア影響で一部受注停止

■主力事業の伸長率が前期比マイナス圏に転じ、顧客単価はプラス維持

 アスクル<2678>(東証プライム)は10月29日、2026年5月期10月度(9月21日〜10月20日)の月次業績を発表した。単体売上高は前年同月比マイナス1.8%、主力のASKUL事業の伸長率はマイナス1.5%となった。平日が1日多く土曜が1日少ないため、稼働日修正後の同事業伸長率はマイナス4.0%と推定される。LOHACO事業の伸長率はマイナス4.8%にとどまった。6月以降の単体売上高は前年を上回って推移していたが、10月は減少に転じた。

 同社は10月19日に発生したランサムウェア感染によるシステム障害の影響を明らかにした。これにより19日から20日にかけて「ASKUL」「ソロエルアリーナ」「LOHACO」で受注・出荷業務を停止した。障害期間中の取引減少が月次実績に影響したとみられる。なお、単体売上高にはロジスティクス事業の売上を含み、ASKUL事業にはASKULおよびSOLOEL ARENAの売上が含まれる。

 一方、ASKUL事業の購入客単価は前年同月比プラス1.2%と引き続き増加を維持したが、購入客数の伸長率はマイナス2.6%と減少幅が拡大した。同社は今後の月次実績を20日仮締めベースで公表し、開示スケジュールをIRサイト上で明示している。公認会計士または監査法人の関与を受けていない速報値であるため、四半期・通期決算とは数値が異なる可能性があるとしている。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■開発者や投資家に加え、警鐘を鳴らす識者やアーティストも選出、多様な視点でAIの未来を問う  米T…
  2. 【効率化の先に広がる新しい働き方のルール】 ■広がり始めた「AI格差」  生成AIの利用が急速に…
  3. ■R35 GT-R最終生産、累計4万8000台が築いた伝説  日産自動車<7201>(東証プライム…
2025年10月
 12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  

ピックアップ記事

  1. ■造船業再生へ3500億円投資要望、経済安全保障の要に  日本造船業界は、海上輸送が日本の貿易の9…
  2. ■高市政権が描く成長戦略、戦略投資テーマ株に資金集中  「連立政権トレード」は、早くも第2ラウンド…
  3. ■全市場のわずか1.4%、希少な高配当利回り銘柄が浮上  株式市場では、高配当利回りを持つ10月決…
  4. ■「高市祭り」への期待と警戒交錯、資金は安定配当株へシフト  10月終盤相場は、「高市祭り」か「高…
  5. ■自民党総裁選と連立問題が相場を左右、短期急伸と急落を交錯  高市トレードは、まるで「超高速エレベ…
  6. ■東京市場、リスクオンとリスクオフが交錯、安全資産関連株に注目  週明けの東京市場は、米国株反発に…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る