日本製鉄、2030中長期経営計画を発表、今後5年で約6兆円投資、連結実力利益1兆円超へ

■米国・インドを軸に海外成長、USスチール買収効果を最大化

 日本製鉄<5401>(東証プライム)は12月12日、「2030中長期経営計画」を発表した。総合力で世界No.1の鉄鋼メーカーを目指し、厳しさが増す世界経済や鉄鋼需給環境を前提に、国内事業の収益基盤強化と海外事業の成長加速を両輪とする戦略を打ち出した。外部環境に左右されず6000億円以上の連結実力利益を確保できる収益構造を踏まえ、次の成長段階へ移行する方針を示した。

■新興国需要と供給過剰を見据えた環境認識

 計画では、新興国の経済成長やAI・エネルギー関連投資の拡大による需要増加を見込む一方、保護主義の進展や通商摩擦の拡大、中国を中心とする世界的な供給過剰構造が続くリスクを指摘した。国内では人口減少や製造業の海外移転を背景に需要縮小が続くと想定し、収益力の一段の底上げが不可欠と位置付けた。

■国内収益力の底上げと海外重点地域への集中投資

 国内事業では、コスト競争力の徹底追求や最適生産体制の構築、需要分野別の高付加価値提案を通じて収益力を高める。薄板分野では設備投資効果を最大化し、鹿島地区の連続焼鈍設備1基を2027年度末をめどに休止する。海外では米国、欧州、インド、タイを重点地域とし、USスチール買収を軸に鉄源一貫体制を強化するほか、インドでは一貫製鉄所建設を進め、生産能力と市場シェアの拡大を図る。

■2030年度目標と下限配当導入による株主還元

 2030年度をマイルストーンとし、連結実力利益1兆円以上、ROE10%程度、D/E0.7程度などの財務指標を掲げた。今後5年間で約6兆円規模の設備投資・事業投資を実施し、成長と財務健全性の両立を目指す。株主還元では配当性向30%程度を維持しつつ、2027年3月期から2031年3月期まで、1株当たり年間配当24円を下限とする新方針を導入する。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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