NEC、上期営業利益2.7倍の1185億円、官公庁・防衛関連が牽引

■米CSG社を約4417億円で買収へ、北米通信ソフト事業を拡大

 NEC<6701>(東証プライム)は10月29日、2026年3月期第2四半期(4~9月期)の連結決算を発表した。売上収益は前年同期比5.6%増の1兆5697億円、営業利益は1185億7000万円で2.7倍となった。親会社株主に帰属する中間利益は728億円(同4.4倍)に拡大した。官公庁案件を中心とするITサービス事業が好調で、DX支援サービス「ブルーステラ」の採用拡大も収益性を押し上げた。社会インフラ事業では航空宇宙・防衛関連の受注が伸び、全体の収益改善に寄与した。

 財務面では総資産3兆9889億円、自己資本比率49.4%と健全性を維持した。調整後営業利益は1315億円(前年同期比2.15倍)と大幅に伸長し、営業キャッシュ・フローも1774億円に拡大した。NECネッツエスアイの完全子会社化に伴うグループ内再編効果が反映された。中間配当は16円を予定し、年間配当は32円とする。通期予想は売上収益3兆4200億円、営業利益3300億円を見込み、構造改革と高付加価値ソフトウェア事業の拡大により増益を狙う。

 また同社は、米国テレコム・ブロードバンド事業者向けソフトウェア企業CSGシステムズ・インターナショナル(CSGS)を約4417億円で買収すると発表した。北米地域統括会社NECAMを通じて実施し、2026年中の完了を予定している。CSG社は顧客管理や課金システム分野に強みを持ち、NEC傘下のNetcracker社との補完関係を活かして通信事業者向けソリューションを拡充する。買収資金は手元資金と借入金で賄い、新株発行は行わない方針である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■銀座の呉服店「むら田」店主・村田あき子の語りをまとめた書籍  KADOKAWA<9468>(東証…
  2. ■長時間立ち仕事や長距離歩行の負担軽減、安全で快適な勤務環境を整備  日本航空(JAL)<9201…
  3. ■「ポケモンフォレスト」と「カヤツリタウン」2エリア構成、冒険とイベントを一体化  よみうりランド…
2025年12月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031  

ピックアップ記事

  1. ■眠れる6900トンの金が動き出す、「都市鉱山」開発でリデュース株に追い風  今週の当コラムは、金…
  2. ■天下分け目の12月10日、FRB利下げで年末相場は天国か地獄か?  天下分け目の12月10日であ…
  3. ■AI・データセンター需要拡大に対応、測定能力は従来比最大2倍  リガク・ホールディングス<268…
  4. ■売り方手仕舞いで需給改善が後押し  師走相場では、リスクの大きい銘柄であっても、逆日歩のつく信用…
  5. ■師走相場は最終レースさながら、勝ち負け分ける「掉尾の一振」に熱視線  師走である。礼節一点張りの…
  6. ■金利環境改善が銀行株に追い風、逆張りの買いも有力視  今週の当コラムは、銀行株に注目することにし…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る