兼松、外航船向けバイオ混合燃料の供給を兼松油槽と連携し開始、約20%のGHG削減効果

■小倉油槽所を拠点にバンカリング、海運脱炭素化を後押し

 兼松<8020>(東証プライム)は12月3日、出光興産<5019>(東証プライム)およびグループ会社の兼松油槽と共同で、外航船舶向けにバイオ混合燃料の供給を開始したと発表した。重油とFAMEを混合した当該燃料は、従来燃料と比べて約20%の温室効果ガス削減効果が見込まれ、海運業界の脱炭素化に資する取り組みとなる。FAMEには使用済み食用油を基材とする脂肪酸メチルエステルを用い、環境負荷低減を志向した供給体制を構築している。

 同取組みでは、兼松油槽の小倉油槽所の陸上タンクおよび海上出荷設備を活用し、兼松が調達したFAMEと出光興産が供給する重油を同所でブレンドする。品質確認を経て外航船へのバンカリングを行う仕組みであり、使用するFAMEはEN規格14214を満たす。さらに兼松東京本社は2025年2月、国際的な持続可能性認証であるISCC EU認証を取得し、海運会社に対してProof of Sustainability(PoS)を発行できる体制を整えたことで、持続可能性基準を満たすバイオ燃料の供給販売が可能となった。

 兼松グループは、2031年3月期にCO2削減貢献量1,000,000t-CO2の達成を掲げており、サプライチェーンを繋ぐ商社として脱炭素化への貢献を強化している。今回の供給拡大や二国間クレジット制度(JCM)を活用した事業を通じて、CO2排出削減をさらに推進し、持続可能な社会の実現に寄与する方針を示した。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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