
■ヘルスケアモニターと「ALKALIS」は2026年1月1日販売開始
ウインテスト<6721>(東証スタンダード)は12月26日、半導体の前工程向け検査・測定・解析装置事業への参入を発表した。後工程中心だった事業領域を前工程へ拡大し、市場の裾野拡大と需要変動に対する耐性強化を図る。海外協力企業が実績を持つ装置について製造ライセンス供与を受け、大阪工場でノックダウン製造を行うことで、開発費用と立ち上げ期間の圧縮を進める方針だ。事業開始は2026年1月14日、クリーンルームは同年6月末に完成予定で、出荷・販売は同年10月以降を計画する。建設費用は約2億円、付帯設備は約2000万円前後を見込む。
同社は併せて、IoTセンサーを活用した便座装着型ヘルスケアモニターを2026年1月1日から販売開始すると発表した。心弾動波などのデータを取得し、クラウド上で個人認証・解析を行い、スマートフォンなどで確認できる仕組みである。初年度は約1万セット、2030年までに累計10万セットの販売を目指す。また、強アルカリ水素含有洗浄水生成装置「ALKALIS」も同日から正式販売し、化学薬品系洗剤の代替や廃棄コスト低減効果を訴求する。いずれも2025年12月期の業績への影響は軽微とし、2026年12月期の影響は精査中としている。
■前工程参入期待で短期資金が集中
12月29日の株価は、前日終値101円から始値146円へ急伸し、一時148円まで上昇した。出来高は957万株超、売買代金は13億円超に膨らみ、需給主導の急騰局面となった。半導体前工程向け検査装置事業への参入発表が材料視され、事業領域拡大による成長期待から短期資金が一気に流入した。一方で、安値は128円まで押し戻されるなど値動きは荒い。PBRは9倍台、ROEは大幅なマイナスと、ファンダメンタルズ面の改善は道半ばで、業績寄与は2026年以降となる見通しだ。年初来高値317円からの調整局面にあることも踏まえ、当面は材料期待と戻り売りが交錯する高ボラティリティ相場が続きそうだ。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)






















