大阪・関西万博、企業の7割が「日本経済にプラス効果」と評価、西日本中心に高得点

■万博開催で7割の企業が「日本経済にプラス効果」

 帝国データバンクは10月16日、「大阪・関西万博」の開催効果に関する企業アンケート結果を発表した。調査は10月9日から14日にかけて全国1058社を対象に実施したもので、約7割の企業が「日本経済に一定のプラス効果をもたらした」と回答した。「期待以上」とする企業は23.4%にのぼり、「期待どおり」(44.0%)と合わせると7割近くが肯定的に評価した。「あまり期待どおりではなかった」は27.4%、「期待を下回った」は5.1%にとどまった。万博は半年間で2557万人が来場し、運営費は最大280億円の黒字見通しとなるなど、経済的にも一定の成果を上げたとされる。

■西日本で効果が顕著、企業評価は平均72.2点

 地域別では「一定のプラス効果」を挙げた企業の割合が開催地・近畿で81.3%と最も高く、九州(73.9%)、四国(71.0%)、中国(69.1%)が続いた。全国平均は67.5%で、開催地に近い西日本ほど経済波及を実感する傾向が強い。自由回答では「大阪周辺の交通・飲食が活況」「短工期で高品質なパビリオン建設に日本の底力を感じた」などの声が寄せられた。一方、「関東では効果を実感できない」「資材高騰に苦しんだ」との意見もあった。企業が万博の社会・経済的影響を100点満点で採点した平均値は72.2点で、80点以上を付けた企業が半数超を占めた。

■万博成果の持続が課題、成長戦略への接続に期待

 調査結果からは、大阪・関西万博が「成長の起爆剤」としての役割を一定程度果たしたことが浮き彫りになった。特に西日本では観光、消費、建設など幅広い分野で波及効果が確認され、地域経済の活性化に寄与したとみられる。帝国データバンクは、万博の成果を一過性で終わらせず、持続可能な地域振興や産業発展にどう結びつけるかが今後の課題と指摘した。企業の多くが高い評価を示す一方で、恩恵の地域差や中長期的効果への懸念も残っており、万博を契機に次なる成長戦略を描く動きが注目される。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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