【どう見るこの相場】「連立政権トレード」第2ラウンド突入、AI・造船・宇宙関連が主役交代へ

■高市政権が描く成長戦略、戦略投資テーマ株に資金集中

 「連立政権トレード」は、早くも第2ラウンド入りとなるようである。第1ラウンドは、まず「高市銘柄」のシンボル株の助川電気工業<7711>(東証スタンダード)が、ストップ高交じりの急騰で先行し、次いで自民党と日本維新の会の政策協議進展とともに大阪・関西万国博覧会と大阪総合リゾート(IR)施設との会場の夢洲に関連する「吉村銘柄」の代表株の桜島埠頭<9353>(東証スタンダード)が連続ストップ高で後を追い、日経平均株価も、5万円台目前まで駆け上がった。ただ助川電気と桜島埠頭は、とも信用取引規制の強化を受けて高値波乱となり、やや休養場ムード含みとなっているからだ。

■AI・半導体・造船・宇宙関連が軒並み高、戦略投資テーマに資金集中

 代わって第2ラウンド相場で急浮上しそうなのが、高市早苗首相が、10月24日の衆参本会議で行った所信表明演説の関連株である。同演説では日本経済の成長戦略としてAI(人工知能)・半導体、造船、量子、バイオ、航空・宇宙、サイバーセキュリティなどの戦略分野に官民が携えて先手を打つ戦略投資を訴えており、この戦略分野に関連する銘柄が、上場来高値・年初来高値を更新するなど軒並み高となり、第2ラウウド相場のスター株デビューを期待させた。

■日本造船4団体が政策支援を要望、高市政権下で再生へ地ならし

 このうち造船株は、高市首相の所信演説に先立つ地ならしがあった。10月23日に日本造船工業会、日本船主協会、日本中小型造船工業会、日本舶用工業会の海事クラスター4団体が、国土交通大臣と自民党の関連部会宛てに提出する日本の造船業の再生に向けた政策支援の要望書を発表していたのである。かつて日本は、造船大国といわれ、当時はまだ造船後進国だった中国への技術協力さえ惜しまなかったのが、労働集約型産業としての賃金競争、度重なる円高・ドル安、鋼材価格の内外価格差などの逆風に見舞われて、韓国、中国の後塵を拝する造船不況のなか造船ドック閉鎖、人員削減のリストラに追われてきた。

■造船業再生へ3500億円投資要望、1兆円基金構想も浮上

 しかし日本の輸出入の99.5%は海上輸送に依存し、そのうち60%を日本の海運会社の運航する日本商船隊に支えられていることから、造船業の再生は経済安全保障政策上も緊急性を要するとして、3500億円投資して日本の建造能力2035年に1800万総トンに倍増させる目標達成に向け政策支援を要望したものである。折から海上荷動き増加、海運市況上昇は新造船受注量を拡大させ、脱炭素化に向けた次世代ゼロエミッション船舶へのニーズも高まり、さらに米中摩擦の激化が、中国船籍船の米国港湾への入国規制を強化させるなど事業環境下にある。すでに自民党の部会でも1兆円以上の投資を可能とする基金の創設を打ち出しており、高市政権成立とともにいよいよ官民挙げての具体化の動きが期待される。

■バリュー株の主役交代か、造船株に資金回帰の流れ鮮明

 同じく長く海運市況の底に沈んでいた海事関連株では、大手海運3社が、コンテナ船事業の統合効果に新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的な感染爆発)によるサプライチェーン混乱を背景にした海上荷動きの拡大、コンテナ船運賃上昇のフル享受が上乗せとなって業績を伸ばし大幅増配するなどバリュー株の有力な一角として存在感を際立たせ、次世代船舶の開発・就航でも世界最先端を走っている。造船株も、同様の展開になるか試される期待されることになる。現に前週末24日は造船株では上場来高値・年初来高値まで買われる銘柄が目立ったのである。しかも造船株本体だけでなく、グリーバル・リッチ・トップとして世界的なシェアを握る舶用機器株にも高値更新銘柄が続出した。「連立政権トレード」の第2ラウンド銘柄として造船株、舶用機器株の追随買いも有力な投資選択肢となりそうだ。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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