みずほFGとソフトバンク、AGI時代見据え戦略提携、金融向け最先端AIを共同開発へ

■金融DXを加速する「Cristal intelligence」導入 2030年度までに3,000億円の効果見込む

 みずほフィナンシャルグループ(みずほFG)<8411>(東証プライム)とソフトバンク<9434>(東証プライム)は、AGI(汎用人工知能)時代を見据え、2025年7月16日に戦略的包括提携契約を締結した。これに基づき、みずほFGはソフトバンクがOpenAIと共同開発する企業向け最先端AI「Cristal intelligence」を金融業界で初めて導入する予定である。

 「Cristal intelligence」は、企業のシステムやデータを統合し、個別にカスタマイズされたAIである。過去データや社内動向、最新情報を学習し、長期記憶を持つAIエージェントが連携することで、経営の高度な最適化を図る革新的技術とされる。みずほグループはこの技術を活用し、「最高の顧客体験」と「オペレーショナルエクセレンス」の実現を目指し、2030年度までに2024年度比で3,000億円規模の効果を見込む。

■業務効率化と専門性の融合で新たな金融サービスを創出

 具体的には、みずほは法人顧客を中心に、AIが24時間365日、膨大な取引データや市場動向を解析し、最適な融資提案や経営アドバイスを即座に提供するサービスを構築する。加えて、顧客の希望に応じて、重要な判断を要する場面では金融の専門家が対応する体制を整え、新たなユーザー体験の創出を図る。

 この取り組みにより、営業活動の生産性を2倍以上に高め、低付加価値業務を最大50%削減。コンタクトセンター業務の生産性も最大50%向上させることを目指す。みずほとソフトバンクは、みずほが有する独自データやナレッジと、ソフトバンクの先端AI技術や業務プロセス改革ノウハウを融合させ、業務の標準化・高度化・自動化を推進していく。

■日本語特化型金融LLM「Sarashina」基盤に研究開発を開始

 みずほは、最先端AI技術を使いこなす人材育成にも注力する。採用・育成・評価・異動の各プロセスにAIを活用し、創造性や共感力といった人ならではの付加価値提供力を高める体制を構築する。また、みずほとソフトバンクは、ソフトバンク子会社のSB Intuitionsが開発する日本語特化型大規模言語モデル(LLM)「Sarashina」を基盤とし、金融に特化したLLMの研究開発を共同で進める。

 両社は、AGI時代に向けて「Cristal intelligence」などの最先端AI技術の活用を加速させ、金融業界におけるユーザー体験の変革と抜本的な生産性向上を図り、顧客および社会への貢献を一層強化していく方針である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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