【編集長の視点】イワキポンプはもみ合いも大幅続伸業績を見直しバリュー株買いが続き最安値水準から底上げ気配

編集長の視点

 イワキポンプ(イワキ)<6237>(東2)は、18円高の2013円と反発して始まったあと、5円安と下ぶれるなど前週末終値を挟みもみ合いを続けている。同社株は、今年3月18日に公開価格2000円で新規株式公開(IPO)されたばかりで、初値を2050円でつけ、上場来高値2624円まで買い進まれ、再び公開価格水準で下値を確かめる動きを続けたが、前週末1日取引時間中につけた上場来安値1965円を前に好業績・高配当などを見直しバリエーション的に割安として直近IPO株買いも継続している。IPO株は、初値形成後のセカンダリーで乱高下、公開価格を下回るケースも出ているが、同社株が、IPO以来、公開価格を下回ったのは、配当権利落ち後の1日だけ、それも下げ幅が小幅にとどまるという下値の固さも、買い手掛かりとなっている。

■システム製品拡大の成長戦略で純利益は49%伸び配当は上場記念配当を含め大幅増配

 同社のIPO後初決算となる2016年3月期業績は目下、集計中だが、IPO時には売り上げ245億4400万円(前期比7.6%増)、経常利益20億3300万円(同34.9%増)、純利益15億3800万円(同49.3%増)と大幅増益が予想され、配当も、上場記念配当11円を含めて78.8円と今年1月14日付けで実施した株式分割(1対10)を勘案した前期実績15円に対して大幅増配を予定している。

 同社は、1956年に設立された化学薬液を移送するケミカルポンプの専業メーカーで、ケミカルポンプを中心に関連製品を含めて「流体を制御する」機能を提供する「流体制御機器メーカー」へ向けシステム製品を拡大させる成長戦略を推進しており、マグネットポンプが化学市場向け、定量ポンプが水処理市場向けにそれぞれ好調に推移し、空気駆動ポンプも、半導体・液晶市場向けに堅調で、システム製品の売り上げが、前期比19.1%増と伸び、海外売り上げ比率も従来の20%未満から直近で25%程度に高まっていることなどが要因となっている。

■PERは8倍台、PBRは0.8倍で「小さく産んで大きく育てる」チャンスを示唆

 株価は、IPOの所属部がIPO人気が薄い東証第2部となったことで公開価格2000円に対して2050円で初値をつける展開となったが、初値水準では配当利回りが3.84%と市場平均を大きく上回ることから、配当権利取りにより上場来高値2624円まで買い進まれ、配当権利落ちとともに再び公開価格水準で下値を確認する動きとなった。PERは8倍台、PBRは0.88倍と割安であり、IPO株の投資セオリー通りに「小さく産んで大きく育てる」絶好の仕掛けチャンスを示唆している。(本紙編集長・浅妻昭治)

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