【編集長の視点】中本パックスは大幅増配を続伸業績がフォロー、割安直近IPO株買いが再燃して反発

編集長の視点

 中本パックス<7811>(東2)は、24円高の1796円と3営業日ぶりに反発して始まり、今年4月18日につけた上場来高値1900円を再び意識する動きを強めている。今年4月14日にIPO(新規株式公開)後の初決算として発表した前2016年2月期業績が、IPO時予想を上ぶれて着地し、今2月期業績も続伸を予想、今期配当を90円(前期実績62.5円)と大幅増配を予定していることが加わって割安直近IPO株買いが再燃している。とくに大幅増配により同社の配当利回りが、きょう6日寄り付き現在で東証第2部のランキングで第2位、全市場ベースでも第24位にランクされていることが、見直し買いにつながっている。

■特許技術に基づく自社開発品の拡販を続け増産設備が整いフル稼働

 同社の前2月期業績は、IPO時予想を売り上げが1億円超、利益が900万円~4700万円上ぶれ前々期比3.1%減収、11.6%営業増益、0.2%経常増益、15.9%純益増益と続伸した。売り上げは、医療・医薬関連で薬価改定の影響があり小幅減収となったが、利益は、特許技術に基づき電子レンジで使用しても変形しない耐熱容器NAKーA-PETなどの自社開発品を顧客に新規提案して食品用トレー関係で採用され、IT・工業材関連でも自動車用リチウムイオン電池関連の委託加工も増加しており、生産加工設備の増強、生産の効率化、コスト低減なども相乗して続伸した。

 続く今2月期業績は、売り上げ315億8600万円(前期比3.9%増)、営業利益11億600万円(同0.5%増)、経常利益11億7500万円(同0.7%増)、純利益7億4500万円(同7.8%増)と見込んでいる。食品関連では、自社開発品を拡販するほか、竜ヶ崎第2工場に導入した押出しラミネーター機がフル稼働して増産体制と製造コスト低減に寄与し、中国の生産子会社でもIT・工業材関連で特殊フィルムを拡販、全天候型グローバル企業としてのポジションをより深化させることが要因となる。

 配当は、年1回だった配当を今期から中間配当を実施し、中間配当・期末配当とも普通配当40円に株式上場記念配当を5円上乗せして年間90円(前期実績62.5円)と大幅増配を予定している。

■3分の1押し水準からPER9倍台、PBR0.6倍、配当利回りは5%の修正に再発進

 株価は、今年3月3日に公開価格1470円でIPOされ1480円で初値をつけ1501円高値まで上ぶれたが、その後は上場来安値1391円へ調整、1400円台固めを続けるなど限定的なIPO株人気となった。それが一転して初決算と大幅増配の発表でストップ高し、上場来高値1900円まで買い進まれるなど様変わりとなった。足元は、最安値から最高値までの上昇幅の3分の1押し水準を固める動きとなっているが、PERは9倍台、PBRは0.6倍、配当利回りは5.01%となお評価不足となっている。最高値奪回を目指し最高値抜けからはさらに上値チャレンジに弾みをつけよう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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