【編集長の視点】極東開発工業は連続の2ケタ増益予想業績を見直しバリュー株買いが再燃

■高配当利回り維持でバリュー株買い再燃、ミニGC示現で上昇トレンドへ

 極東開発工業<7226>(東証プライム)は、前日19日に28円高の2503円と3営業日ぶりに反発して引け、取引時間中には2521円と買われる場面もあって3月7日につけた年初来高値2614円を視界に捉えた。同社株は、今年5月14日に3月期決算を発表し、前2025年3月期業績が、期中の再上方修正値をやや下ぶれて着地し、今2026年3月期の配当の減配を予想したことが響いて利益確定売りや戻り売りが続いていた。ただ前期業績が2ケタ増益で着地し、今期も連続の2ケタ増益となることや、減配予想でも配当利回りが、東証プライム市場の高配当利回りランキングの第54位にランクインすることなどを見直しバリュー株買いが再燃した。テクニカル的にも5日移動平均線が、25日移動平均線を上抜くミニ・ゴールデンクロス(GC)を示現して上昇トレンド転換を示唆しておりフォローの材料となっている。

■受注が好調に推移し生産性向上と製品価格の改定も上乗せ

 同社の今2026年3月期業績は、売り上げ1680億円(前期比19.6%増)、営業利益96億円(同44.2%増)、経常利益95億円(同37.9%増)、純利益65億円(同11.7%増)と見込み、売り上げは増収率を2ケタに伸ばし、利益は連続の2ケタ増益となる。主力の特装車事業の受注高が好調に推移し、前期受注高が前々期比31.3%増となったことから期末の受注残高が、同22.9%増の953億900万円に拡大しており、大規模設備投資による生産能力強化、生産性と利益率向上が上乗せとなり、さらに今年4月1日には原材料価格高騰などに対応して製品価格の改定を行っており、同事業の売り上げが1434億円(前期比20.8%増)、営業利益が78億円(同66.8%増)と大幅続伸することが業績全般を牽引する。

 配当は、目下推進中の中期経営計画の株主還元政策で、配当方針をDOE(株主資本配当率)4%以上としたことに従って前期に年間158円(前々期実績87円)に大幅増配し、今期は年間140円を予定し減配となる。同配当でもDOEは4.9%と4%を維持しており、配当利回り水準は5.59%と東証プライム市場ランキングの第54位に位置する。なお前期も、期中の2回の上方修正に従って配当も2回増配され期初予想の116円が42円増配されており、再現も期待される。

■ミニGC示現で低PER・PBR修正へ再発進し年初来高値目指す

 株価は、今年2月の前期業績の再上方修正、配当の再増配に製品価格の価格改定発表が続いて年初来高値2614円まで買い進まれ、配当権利落ちとトランプ関税による世界同時株安が重なって年初来安値1954円へ大幅調整した。同安値からは売られ過ぎとしてリバウンドし、5日線が25日線を上抜くミニGCを示現して上昇トレンド転換を示唆した。PERは14.7倍、PBRは0.82倍、配当利回り5.59%となお割安であり、年初来高値奪回に再発進しよう。(情報提供:日本インタビュ新聞・インベストメントナビゲーター:株式投資情報編集長=浅妻昭治)

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