【編集長の視点】モバイルファクトリーは続落も14期連続黒字業績をテコに異色のゲーム関連株人気再燃を期待

編集長の視点

モバイルファクトリー<3912>(東マ)は、12円安の2088円と3日続落して始まっている。きょう25日の日経平均株価が、109円安と5営業日ぶりに反落してスタートしていることもあり、同社株にも目先の利益を確定する売り物が先行している。ただ株価水準は、今年5月18日に突っ込んだ上場来安値1950円近辺にあり、位置情報連動型ゲームを主力とするゲーム株として、今12月期で14期連続の黒字を記録、今期純利益が連続過去最高が予想されていることを評価して異色のゲーム株買いが再燃する展開も想定される。

■成長型の位置情報ゲームと安定型のコンテンツサービスとの両輪で収益モデルがバランス

同社は、2001年10月に設立され、ここから前2014年12月期まで営業利益が13期連続で黒字が続く堅実な経営推移を示している。モバイルサービス事業のビジネスモデルとして、位置情報連動型ゲームなど成長型のソーシャルアプリサービスと、着メロ、占いなどの安定収益型のコンテンツサービスを展開、バランスの取れた収益モデルとなっていることが要因となっている。

 しかも、この位置情報型ゲームは、カードバトル型、パズル型、街づくり系などの他のゲームジャンルと比べて継続率、課金率、課金単価が高く、競合数の少ない強みを持っている。現に同社の「駅奪取PLUS」は、2011年の配信以来4年経過した今年1月末でも、1000日以上連続プレイする利用者が2000人以上に達するなどロングセラーとなっている。このため業績もここにきて大きく伸び、今12月期業績は、売り上げ16億3300万円(前期比6.1%増)、経常利益2億3400万円(同10.3%増)、純利益1億4700万円(同24.8%増)と予想、純利益は連続して過去最高を更新する。

またここにきて大手プラットフォームとの連携も目立っており、グリー<3632>(東1)との提携は、同社のプラットフォーム「GREE」で男性向け恋愛シュミレーションゲーム「おまちしておりました!ご主人様!!」の配信を今年4月から開始し、コロプラ<3668>(東1)とは、プラットフォームの「コロプラ」で提供する同社の「駅奪取PLUS」のなかでコロプラのO2Oサービス「乗り物コロカ」と利用連携する。コロプラとの提携は、利用連携する交通事業者が、全国57事業者に拡大し、業績期待を高めている。

■25日線水準を固め直近IPO株人気を高め一段の戻りに挑戦

株価は、今年3月に公開価格1410円で新規株式公開(IPO)され、2812円で初値をつけ3250円まで買い進まれ、その後の2123円安値からはグリーとの提携発表で2日連続のストップ高を交えて上場来高値3840円をつけ公開価格比で2.7倍化した。またコラブラとの提携では、上場来安値1950円から2570円の戻り高値まで32%高し、足元は、25日移動平均水準での中段固めを続けている。直近IPO株人気を再燃させ、一段の戻りを試そう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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