【編集長の視点】ヨシムラ・フード・ホールディングスは反落も連続最高業績を牽引する中小企業プラットフォームを手掛かりに下値買いは継続

編集長の視点

 ヨシムラ・フード・ホールディングス<2884>(東マ)は、19円安の1031円円と反落して始まっている。今年4月5日につけた新規株式公開(IPO)後の上場来安値892円から二段上げしており、週末を控えて目先の利益を確定する売り物に押されている。ただ下値には、同社の今2017年3月期業績が、前期に続く過去最高更新が予想されており、これを牽引する同社の独自のビジネスモデルである「中小企業支援プラットフォーム」を見直す買い物も根強く続いている。テクニカル的にも、上場来安値から25日移動平均線に下値をサポートされつつ2段上げしており、25日線で下値を再確認したここから一段の戻りを試す展開への期待を高めている。

■合計8社のグループ会社の相乗効果で新規顧客を開拓しトップシェアをアップ

 中小企業支援プラットフォームは、「日本の食文化を守り、育み、拓く」との創業精神に基づき、優れた商品や技術力を持ちながら少子高齢化による売り上げ減少や後継者難問題を抱えて本来の力を発揮できない地方の中小食品企業の再成長と地域経済の活性化を図ることを目的に展開しており、これまで合計8社をM&Aによりグループ化し、新商品の開発、新規設備の導入、グループの相乗効果による新規顧客の開拓などによりグループ企業を業界トップに躍進させてきた。

 例えば2008年12月にグループ化した楽陽食品は、チルドシウマイ業界で第2位、レギュラーシウマイで第2位の販売順位を藤枝工場の取得や新商品の開発により2013年にはいずれも業界トップに躍進させており、このトップシェアも、「野菜たっぷりシウマイ」の新製品効果などでチルドシウマイでは前々期の22.4%から23.3%へ、レギュラーシウマイでも同じく10.5%から10.7%へさらにアップさせている。

 この独自ビジネスモデルによりヨシムラフードHの業績も高成長が続き、今2017年2月期業績は、売り上げ132億5000万円(前期比3.2%増)、営業利益3億7100万円(同13.2%増)、経常利益3億6200万円(同10.7%増)、純利益2億2200万円(同51.8%減)と予想されている。純利益は、前期計上の土地収用補償金(5億1000万円)の特別利益が一巡して減益転換するが、売り上げやそのほかの利益は連続して過去最高を更新する。引き続き楽陽食品のチルド餃子の販売が増加して牽引し、ピーナッツバターを製造する利益率の高いにダイショウが販売エリアを関東中心から東北・西日本へ拡大させ、昨年2月にグループ化したまぐろ加工品を展開する雄北水産がフル寄与することなどが要因となる。

■25日線で下値を再確認し最上位投資格付けもオンして半値戻しから全値戻しを目指す

 株価は、公開価格880円でIPOされ1350円で初値をつけ、これを上場来高値として、公開価格を再確認する上場来安値892円まで調整したが、この安値をバネに2段高した。第1段上げでは調整幅の3分の1戻し水準の1060円をつけ、第2段上げでは3分の2戻しの1200円の戻り高値まで買われ、足元では3分の1戻し水準となる25日線で下値を再確認している。中小企業支援プラットフォームを評価して一部国内証券では同社の投資判断を新規に最高位の「A」、目標株価を1350円とする動きもあり、半値戻しから最高値奪回の全値戻しに弾みをつけよう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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