【編集長の視点】GMO-APは配当落ち後安値水準から3連騰、業績下方修正を織り込み決算発表に期待し下げ過ぎ訂正

編集長の視点

GMOアドパートナーズ(GMO-AP)<4784>(JQS)は、2円高の501円と3営業日続伸して始まり、昨年12月26日につけた配当権利落ち後安値487円に並ぶ安値水準から底上げしている。同社株は、昨年12月15日に前2014年12月期業績の下方修正と、未定とした期末配当の増配を発表し強弱感が拮抗したが、業績下方修正は織り込み済みとして2月に発表予定の今2015年12月期業績への期待を高めて下げ過ぎ訂正買いが増勢となっている。

■プライベートDMPの提供開始など今期業績の増益転換期待を支援

目下集計中の同社の前期業績は、エージェント事業とソリューション事業が順調に推移して売り上げは期初予想より5億円引き上げられ235億円(前々期比24.1%増)と連続の2ケタ増収となったが、メディアレシップ事業の減収、売上総利益の減少をエージェンシー事業とソリューション事業で埋め切れなかったとして経常利益を3億7000万円引き下げ6億3000万円(同3.5%減)と連続減益となった。ただし純利益は、グループ内組織再編成に伴う持分法変動益や有価証券売却益の寄与などで期初予想を据え置き、4億円(同2.22倍)とV字回復し、2012年12月期の過去最高(3億5700万円)を上回った。このため未定としていた期末配当は、配当性向の目標を35%とする配当政策に従って8.5円(前々期実績4.3円)へ大幅増配した。

続く今2015年12月期業績の動向が株価ポイントとなるが、これについては、前期業績の下方修正要因となったメディアレシップ事業の構造改革を昨年10月に完了して新組織体制による効率化を進め、同じく10月30日に提供を開始したプライベートDMPによりWEBページ訪問情報と、企業保有の顧客データを連携させて広告配信のターゲットをより明確化させることなどから増益転換が期待される。2月に予定される決算発表が、注目されることになる。

■配当権利落ち後の1カ月にわたる500円台出没で下値岩盤も示唆

株価は、昨年来安値460円から前期第3四半期業績の増益転換着地を手掛かりに575円まで底上げし、前期業績の下方修正では、下ぶれたものの期末配当の増配と綱引きして500円台を出没する限定的な反応にとどまった。この昨年来安値からの上昇幅の3分の2押し水準でのもみ合いは、配当権利落ち後1カ月を経過し下値岩盤も示唆しており、一段の底上げを試そう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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