【編集長の視点】CRGHDは業績予想取り下げも役員報酬減額を見直し下げ過ぎ修正で急反発

CRGホールディングス<7041>(東マ)は、前日19日に20円高の505円と急反発して引けた。同社株は、今年5月15日の今2020年9月期第2四半期(2019年10月~2020年3月期、2Q)累計決算の発表に際して、今9月期通期業績の予想を取り下げ、未定と変更したことで39円安と急落したが、すでに4月24日には役員報酬の減額を取締役会決議し、一層の経費削減に取り組んでいることなどを見直し織り込み済みとして下げ過ぎ修正買いが再燃した。テクニカル的にも4月中旬以降、25日移動平均線固めを続けており下値抵抗力を発揮した。

■2Q累計では2ケタ増益も経営資源の最適化を進めいっそうの経費削減

 同社の今期2Q累計業績は、売り上げ110億5700万円(前年同期比1.8%減)、営業利益2億2500万円(同25.7%増)、経常利益2億2200万円(同33.1%増)、純利益1億3100万円(同26.3%増)と6カ月累計では2ケタ増益で着地した。ただ3カ月ベースでは、今期第1四半期(2019年10月~2020年12月期、1Q)の利益が、前年同期比87%増~2.5倍増と好調に推移したのに対して、2Qでは前年同期比15%減~31%減と急減速した。新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的な大流行)による経済活動の抑制、景況感の悪化は、企業の派遣需要の減少やとくにグループ会社のジョブスのイベント事業の軟調推移につながったことなどが要因となった。

 また新規顧客の獲得のために商談機会の喪失など先行きの業績を合理的に見積もることが困難として、期初に純利益を2期ぶりに過去最高更新としていた今9月期通期業績を取り下げて未定とした。ただ、こうした急激な市場の悪化を踏まえて経営資源の最適化を進めており、さらに経費を削減するために役員報酬の減額を取締役会決議した。このうち常勤役員では、今年4月から6月までの3カ月間、月額報酬の20%を減額する。「非常事態宣言」も、5月14日に39県が解除され、21日には残り8都道府県の解除が検討される。経済活動再開に伴うテレワーク拡大などでコールセンター需要の増勢も予想され、コスト削減とともに同社業績の持ち直しの展望も拓け、未定と変更した今9月期通期業績の開示も期待される。

■25日線固めから再発進しまず今年3月の高値水準にキャッチアップ

 株価は、今年1月につけた年初来高値1158円から新型ウイルス感染症のパンデミック(世界的な大流行)による世界同時株安に巻き込まれて800円安値へ調整し、テレワーク導入企業の増加でコールセンター向け人材派遣事業の需要が拡大しているとして1000円大台を回復したが、テレワークの職場が「3密」空間との見方が強まり年初来安値360円へ再調整した。同安値からは売られ過ぎとして底上げ、役員報酬減額も前向きに評価され583円までリバウンドしたが、通期業績予想の取り下げで25日移動平均線で下値を確認する動きとなった。この25日線固めのなかで5日移動平均線が25日移動平均線を上抜くミニ・ゴールデンクロス(GC)を示現し上昇トレンド転換も示唆しており、25日線水準から再発進、年初来高値から安値への調整幅の半値戻しとなる今年3月水準の700円台奪回を目指そう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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