【株式評論家の視点】エリナスはKDDIとの提携進展へ、押し目買い妙味が膨らむ

株式評論家の視点

 エリナス<6079>(東マ)は、「エネルギー情報業」を運営している。「エネルギー情報業」とは、電力が流通するプロセスにおいて偏在するエネルギー情報を管理、提供することによって、これまでエネルギーを自由に取引できなかった電力の需要家が最適な電源や電力会社の選択を可能にする事業で、効率的なエネルギー利用を促進する各種サービスも提供している。同社の事業は、新電力(PPS)向け業務代行及び需要家向けエネルギーマネジメントサービスからなる「エネルギーマネジメント事業」と、電源開発、電力卸取引を主たるサービスとする「パワーマーケティング事業」で構成されている。

 同社は、平成27年度からの既存事業の選択と集中の方針に伴い、エネルギーエージェントサービス及び小売電気事業者向け電力需給管理サービスの拡大を進めているほか、コーポレートガバナンスの見直し等の内部管理体制の改善、強化に取り組むとともに、関係会社の売却、整理を進めている。今年8月に資本・業務提携契約を締結し、10月26日に代表取締役社長 最高経営責任者(CEO)にKDDIから小林昌宏氏が就任。業務提携を推進・加速し、更なる経営体制の強化を図る方針。

 今2016年12月期第2四半期業績実績は、売上高が309億6000万円(前年同期比4.4%減)、営業損益が5億7900万円の黒字(同16億9900万円の赤字)、経常損益が2億3400万円の黒字(同17億6800万円の赤字)、最終損益が1億2100万円の赤字(同26億7200万円の赤字)に着地。

 今16年12月期業績予想は、売上高が549億1800万円(前期比16.3%減)、営業損益が6億6600万円の黒字(同15億6100万円の赤字)、経常損益が3億6200万円の黒字(同17億5700万円の赤字)、最終損益が3億0400万円の黒字(同26億4400万円の赤字)と黒字転換を見込む。

 株価は、第1四半期黒字転換とKDDIとの資本業務提携に対する期待を背景に7月29日安値282円から9月26日に年初来高値1398円と買われた後、10月17日安値776円と調整。その後、モミ合っている。11月9日に発表が予定されている第2四半期決算で業績回復基調が確認されれば、KDDIとの提携進展との期待から反騰態勢を強めると予想する。800円割れを下値として固めた感があり、ここから押し目買い妙味が膨らみそうだ。(株式評論家・信濃川)

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