【編集長の視点】農業総合研究所はもみ合いも連続最高業績見直しにTPP関連人気もオンして再騰含み

 農業総合研究所<3541>(東マ)は、80円安と反落して始まったあと10円高の5190円と切り返すなど前日1日終値を挟んでもみ合っている。きょう2日に日経平均株価が、米国の大統領選挙の先行き不透明感や円高・ドル安が響いて225円安と急反落してスタートしたことから、同社株にも目先の利益を確定する売り物が交錯している。ただ、今年6月16日に新規株式公開(IPO)された同社株の下値には、今8月期業績の連続過去最高更新や積極的な中期経営計画を見直して、直近IPO株買いが続いている。また11月4日の衆議院本会議で、TPP(環太平洋経済連携協定)の承認法案や関連法案が可決される見通しが強まったことも、6次産業化や地産地消などにより農業の収益力を高める攻めの農林水産業の実現を目指す政策支援が期待されるとして関連株人気につながっている。

■登録農業生産者、委託販売のスーパー店舗数とも大きく続伸し業績押し上げ

 同社の業績は、IPO後の初決算の前8月期業績を今年10月7日に上方修正したあと、今8月期業績については、売り上げ15億6000万円(前期比30.6%増)、営業利益1億7000万円(同8.6%増)、経常利益1億6900万円(同4.0%増)、純利益1億900万円(同1.9%増)と予想、連続して過去最高を更新する。主力の「都市型農産物流通プラットフォーム」は、農業生産者に提供して農産物を全国の物流センターやスーパーマーケットの直売コーナーに配送、農産物の産直を実現しているが、この登録農業生産者が、前期に前々期比22.1%増の5765名となったが、今期はさらに7000名と続伸を予想、委託販売システムの採用店舗数も、同様に前期の44.4%増の680店舗から今期は33.1%増の905店舗を計画、スーパーなどで最終消費者が購入する最終販売価格の総計である流通総額が、75億円(前期比35.8%増)と大きく続伸することが要因となる。

 同社は、この高成長ビジネスモデルをさらに深化させるとともにグローバル展開もしており、今年8月には農産物の輸出を実現するために世界市場(東京都港区)を子会社化し、10月には新たなプラットフォームビジネスを推進するためにNTTドコモ<9437>(東1)と業務提携し、紀陽銀行<8370>(東1)とは和歌山県を中心とする地域創生に向けた連携協力協定を締結した。同社の中期経営計画では、2019年8月期に流通総額140億円、売り上げ28億円、営業利益3億5000万円を目指しているが、この高成長の原動力となる。

■最高値からの調整幅の3分の1戻し水準を固めまず半値戻しを目指す

 株価は、1050円を公開価格にIPOされ1870円で初値をつけ、その後再三にわたる連続ストップ高を交えて上場来高値7460円まで買い進まれ、公開価格比7.1倍となる高人気となった。最高値後は、新興市場の人気離散とともに3955円安値まで調整し、前期業績の上方修正、今期業績の続伸予想、紀陽銀行との協定締結などを評価してリバウンド、調整幅の3分の1戻し水準での値固めに煮詰まり感を強めている。ストップ高を繰り返した急騰特性の再現期待を高めてまず半値戻しに動き、全値戻しも射程に入ってこよう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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