【株式評論家の視点】グローバルウェイは小幅のリターン狙い、「キャリコネ」運営は好調持続

株式評論家の視点

 グローバルウェイ<3936>(東マ)は、本年4月19日に東京証券取引所マザーズに上場。「自社サービスを通じて、世界に夢と感動を与える」という理念を掲げ創業。インターネットやスマートフォン経由でサービスを提供している。ソーシャル・ウェブメディア事業では、企業の口コミ情報、求人情報、ニュース等を取り扱うプラットフォーム「キャリコネ」を運営。ビジネス・ウェブアプリケーション事業では、企業の製品開発の工程を変革するクラウド・アプリケーション、「Voxer」を開発した。Voxerは、大手通販やインターネット企業に採用されるサービスを提供している。

 現行事業のソーシャル・ウェブメディア事業では、2013年3月期から15年3月期の「キャリコネ」への年間訪問者数は47%増、さらに16年3月期は前の期と比較し124%増の約4,200万人に急増。現在の 「キャリコネ」は、訪問者数と売上高が強く相関する収益構造で、今期の施策効果による訪問者数の増加率に一定の条件を設けることが困難なうえ、ビジネス・ウェブアプリケーション事業では、前16年3月期からセールスフォース社とアマゾン社との提携に基づく協業案件の売上高が事業セグメントにおける約80%に急増。同社が開発するクラウド型ソフトウェア「Voxer」は、セールスフォース社とアマゾン社の顧客が中心となるため、今17年3月期は提携効果による自社製品販売機会の増大が見込まれるが、業績の成長率や変動率について一定の条件を設けることが困難なため、業績予想については未定としている。

 前2016年3月期業績実績は、売上高が11億8800万円(前期比25.7%増)、営業利益が2億1100万円(同2.7倍)、経常利益が3000万円(同2.6倍)、純利益が1億4600万円(同2.9倍)に着地。4期連続で過去最高益を更新と好調。

 今17年3月期第2四半期業績実績は、売上高が5億1300万円、営業利益が200万円、経常損益が500万円の赤字、最終損益が900万円の赤字に着地。ビジネス・ウェブアプリケーション事業では、業務システムのモバイル対応やITコスト削減に向けたクラウドニーズの追い風を受けて、同社のサービスに対する需要は旺盛だが、新規領域での開発コスト増加による受注損失引当金の計上、本社移転、上場関連費用、M&A費用等の管理コスト増加、また円高による為替差損の発生が響いた。

 株価は、4月27日につけた上場来の高値2万0390円、6月13日に2万0220円と二番天井を形成した後、11月15日に上場来の安値5050円と75%調整。その後、モミ合っているが、今3月期第2四半期最終赤字着地を株価に織り込んだ感はある。通期業績予想については、開示が可能となった時点で速やかに公表する予定。人手不足が続くなか、企業の求人掲載依頼も多く「キャリコネ」の運営は好調持続が予想される。日柄調整が続くことも想定されるが、ここから突っ込む場面があれば、小幅のリターン狙いで買いを考えるところだろう。(株式評論家・信濃川)

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