【編集長の視点】インソースは連続最高業績・増配を見直し直近IPO株買いが拡大して3連騰

 インソース<6200>(東マ)は、17円高の1210円と3日続伸して始まり、11月29日につけた上場来高値1330円を視界に入れている。前日6日に発表した今年11月度の講師派遣型研修事業の実施回数が、月間で過去最高となったことに加え、今2017年9月期業績が、今年8月の上方修正通りに着地した前2016年9月期業績に続き、過去最高を更新し、配当も、前期に続き増配が予想されていることを見直し、直近IPO株買いが優勢となっている。今年11月9日には営業力強化トータルサービス「Plants」を発表し、メディアフラッグ<6067>(東マ)やモーニングスター<4765>(JQS)と提携して新商品・新サービスを展開することも、成長戦略が加速すると再評価され追撃材料視されている。

■ストレスチェックシステムなどの新商品・新サービスが成長戦略に弾み

 同社の今2017年9月期業績は、前期業績がほぼ今年8月の上方修正通りに2ケタの増収増益で着地したあとを受けて、売り上げ35億7300万円(前期比22.6%増)、営業利益5億6500万円(同22.9%増)、経常利益5億6500万円(同25.0%増)、純利益3億6000万円(同20.9%増)と続伸が予想され、前期の最高業績を連続更新する。配当も、前期配当を今年8月に増配した5.5円(前々期実績4円)から11円に再増配したが、今期はさらに13円に連続増配を見込んでいる。

 今年9月末の営業拠点12カ所、常設セミナールーム8カ所(27教室)、公開講座出張開催地16カ所、を、さら人口500万人のマーケット単位で拠点を拡大し社員数も279名から増強し、事業別売り上げで講師派遣型研修事業が23億3200万円(同12.6%増)、公開講座事業が8億5000万円(同30.7%増)と続伸させることなどが要因となる。今年11月度の講師派遣型研修事業の実施回数は、1193回(前年同月比23.1%増)と月間で過去最高を記録するなど好調に推移している。

 また新商品・サービスの投入では、昨年12月に施行された改正労働安全法による従業員が50人以上の事業所に対するストレスチェックの義務付けに対して、特許出願中のストレスチェックシステムを提供して簡単・スムーズにストレスチェックの実施を可能とするほか、メディアフラッグとは「研修運営代行サービス」の新サービス提供で提携、またモーニングスターとは、お金とキャリアデザインに関する講師派遣型研修事業の新商品「ワークライフマネーバランスセミナー」で提携するなど相次いでおり、業績を押し上げる。

 事業環境も、少子高齢化のなか企業は慢性的な人材不足が深刻化し、これを社員の教育による効率化で補いたいとするニーズが強いと良好で、今後も成長戦略を積極化し、3年後の2019年9月期には売り上げ58億7200万円、営業利益9億8300万円、経常利益9億8300万円、純利益6億2600万円を目指す中期経営計画を加速させる。

■最高値更新後のスピード調整は最終局面入りを示唆し最高値抜けから上値チャレンジへ

 株価は、昨年7月に公開価格520円でIPOされ、連続ストップ高で1092円高値まで買い進まれ、新興市場の人気離散とともに上場来安値652円まで調整したが、今期業績の連続過去最高更新・連続増配予想で再度、ストップ高を交えて上場来高値1330円へ急騰し、足元では1200円台出没のスピード調整の最終局面を示唆している。急騰習性のある直近IPO株として再人気化が有力で、最高値抜けから上値チャレンジに弾みをつけよう。(本紙編集長・浅妻昭治)

 

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■ガソリン・軽油の暫定税率廃止法成立  ガソリン暫定税率廃止法は11月28日に成立し、ガソリン税2…
  2. ■うつ・統合失調症・発達障害を脳から理解する、最前線研究を平易にまとめた一冊  翔泳社は11月25…
  3. 【新築マンションの短期売買を分析】  国土交通省は11月25日、三大都市圏および地方四市の新築マン…
2025年12月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031  

ピックアップ記事

  1. ■「大きく産んで小さく育てる」IPO市場、期待裏切る後半戦  48勝2分10敗である。2025年の…
  2. ■日銀イベント通過で円高前提、紙・パ株が師走相場の主役候補  今週のコラムは、日銀の金融政策決定会…
  3. ■FOMC通過も市場は波乱、金利と為替に残る違和感  FRB(米連邦準備制度理事会)のFOMC(公…
  4. ■眠れる6900トンの金が動き出す、「都市鉱山」開発でリデュース株に追い風  今週の当コラムは、金…
  5. ■天下分け目の12月10日、FRB利下げで年末相場は天国か地獄か?  天下分け目の12月10日であ…
  6. ■AI・データセンター需要拡大に対応、測定能力は従来比最大2倍  リガク・ホールディングス<268…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る