【編集長の視点】兼松は3Q決算発表を前にTPP関連思惑を強め下げ過ぎ訂正で反発

編集長の視点

兼松<8020>(東1)は、2円高の171円と変わらずを含めて4営業日ぶりに反発して始まっている。同社は、今年2月4日に今3月期第3四半期(3Q)決算の発表を予定しているが、TPP(環太平洋経済連携協定)の日米の事務レベル協議が大詰めを迎えていることから、同社の畜産事業などの食料セグメントにプラスに働くとして先行きの業績寄与を見込み下げ過ぎ訂正買いが再燃している。今期配当が、創業125周年記念配当を含めて4円(前期実績3円)に増配されることが、好配当利回り株として期末高期待を強め、前日3日の米国市場で原油先物(WTI)価格が続伸し一時、1バーレル=50ドル台を回復したこともフォローの材料視されている。

■2019年3月期に純利益150億円を目指す中期ビジョンも展開

同社は、総合商社として電子・デバイス事業、食料事業、鉄鋼・素材・プラント事業、車両・航空事業など幅広く展開しており、食料事業では、今期第2四半期に畜産事業が需要拡大や相場の堅調持続などよって好調に推移、営業利益が増益を達成した。TPPの日米事務レベル協議では、牛肉・豚肉の関税を引き下げるなどの重要事項で最終合意に向けて進展していることから、同社事業へのプラス材料として浮上してくる。また、電子・デバイス事業では、昨年12月に兼松日産農林<7961>(東1)を株式公開買い付け(TOB)により連結子会社化して連携を強化した監視カメラなどのセキュリティ機器が、2020年開催の東京オリンピックに向けて展開力を増すこともフォローの材料となる。

今期業績は、売り上げ1兆1500億円(前期比3.2%増)、経常利益2050億円(同1.7%増)と続伸し、純利益は、構造改革費用負担などで110億円(同6.8%増)と減益転換が見込まれているが、2月4日発表予定の今期3Q業績がどの程度の利益進捗率で着地するか注目されている。また同社は、今年5月に中期ビジョン「VISIONー130」を策定、2019年3月期の目標として経常利益250億円~300億円、純利益150億円を掲げており、この達成に向けた積極策の展開にも期待が高まる。

■PER6倍台、PBR0.9倍、配当利回り2.3%の割安修正で三角保ち合い上放れ

株価は、昨年来安値に顔合わせした昨年10月安値148円から兼松日産農林TOBを評価して180円の戻り高値をつけたあと、25日移動平均線水準でのもみ合いを続け三角保ち合いに煮詰まり感を強めている。同業の総合商社株が、WTI価格急落に伴うエネルギー関連の減損損失で業績を悪化させ株価の波乱が続いていることに逆行、PER6倍台、PBR0.9倍、配当利回り2.33%の割安修正、さらに低位値ごろ思惑も加わって保ち合いを上放れ、まず昨年7月高値199円の奪回を目指そう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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