【編集長の視点】IIFは上場来安値水準から即ストップ高、独自ビジネスモデルを再評価して直近IPO株買いが再燃

 インターネットインフィニティー<IIF、6545>(東マ)は、前日23日に700円高の5150円とストップ高して引け、前々日22日の取引時間中につけた上場来安値4420円に並ぶ安値水準からの底上げを鮮明化した。同社株は、今年3月21日に新規株式公開(IPO)されたばかりで、IPO初日は買い気配値を切り上げたまま推移し、2日目に公開価格1320円の3.8倍の5040円で初値をつけ上場来高値5730円まで買い進まれる高人気となり、3月末にかけたIPOラッシュのなか目先の利益を確定する売り物が交錯して上場来安値まで下押したが、改めて独自のビジネスモデルによる成長可能性を再評価して直近IPO株買いが再燃した。時価総額が、なお約63億円と小さく、小型株特有の値動きの軽さを期待する買い物も集中している。

■国内ケアマネジャーの6割が登録のプラットフォームを基盤に年率20%の成長が続く

 同社は、ヘルスケアソリューション事業と在宅サービス事業の2事業を展開しているが、この事業基盤を形成しているのが、シルバーマーケットで日本最大規模のヘルスケアプラットフォームである。同プラットフォームは、国内で約15万人に達するケアマネジャーのうち、約60%となる約8万6000人が登録しており、同登録ケアマネジャーは、高齢者約258万人~344万人規模に匹敵する。このためヘルスケアソリューション事業で行っているシニア層を対象にする3時間のリハビリ型デイサービスの「レコードブック事業」は、直営店・フランチャイズ店を含めて店舗数が拡大するとともに、新規顧客獲得数、利用回数とも増加しており、店舗数は、前期末の37店舗が今年2月末現在で53店舗に達した。在宅サービス事業では、居宅介護支援サービスや訪問介護サービスの利用者数、提供サービスは拡大している。

 業績も、「レコードブック事業」の直営店拡大の初期費用一巡から成長加速となっており、今2017年3月期業績は、売り上げ28億8200万円(前期比18.8%増)、営業利益1億6100万円(同35.7%増)、経常利益1億5000万円(同42.9%増)、純利益1億400万円(同47.8%増)と予想している。来期以降も、「レコードブック事業」の対象のアクティブシニアは、2020年には約3000万人に達すると予測されているだけに、同社では売り上げの20%アップを目標にしている。

■時価総額は約63億円にとどまり値動きの軽さを発揮して上場来高値奪回から上値チャレンジ

 株価は、公開価格1320円がPER13倍台と割安なうえに、資金吸収額がわずか3億円弱にとどまることを手掛かりに公開価格を3720円上回る3.81倍の5040円で初値をつけ、上場来高値5730円まで買い進まれ、この高人気とともに利益確定売りも交錯して4420円まで下押し、すかさず突っ込み買いでストップ高した。時価総額が約63億円にとどまる超小型株特有の値動きの軽さを期待してなお戻りを窺う展開は有力で、初値を奪回したここからは上場来高値を上抜き上値チャレンジを強めよう。

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