【編集長の視点】CRI・ミドルウェは2Q上ぶれ業績に触覚技術提携によるVR人気が加わって急続伸

 CRI・ミドルウェア<3698>(東マ)は、315円高の3765円と続急伸して始まり、今年5月6日につけた株式分割の権利落ち後高値4395円を意識する動きを強めている。

 今年5月12日に発表した今9月期第2四半期(2Q)累計業績が、今年2月の上方修正値を上ぶれて着地したことに加えて、4月28日には米国ナスダック市場に上場しているイマージョン社と技術提携、触覚(ハプティック)技術ソリューションを展開することが、VR(仮想現実)関連株買いを拡大させている。昨年11月に中国のメディアグループのウィズ・パートナーズと戦略的提携したときにストップ高し、さらに今年4月にもCRI・MWのサラウンド技術がVR向けに採用されたときもストップ高した逆行高特性も買い手掛かりとなっている。

■VR向けなどの新技術・新製品のラインアップを拡充し内外で受注好調

 同社の今期2Q累計業績は、利益が2月の上方修正値を1800万円~700万円上ぶれ、売り上げ6億1000万円(前年同期比1.7%増)、営業利益1億2800万円(同6.7%減)、経常利益1億1800万円(同10.8%減)、純利益7500万円(同5.3%減)となった。遊技機分野向けの伸び悩みが続き、新規分野・製品の研究開発費などは増加したが、スマホ向けのゲーム分野では、VR製品の発売・発表などが続き利益率の高い案件を受注したことが上ぶれ着地要因となっており、2Q3カ月間の売り上げは、前年同期比より15.8%増、営業利益の同49.8%増と大きく伸びた。

 今9月期通期業績は、新技術・新製品のラインアップ拡充による売り上げ拡大や、海外を含めた動画関連などの新製品の受注などが寄与して期初予想に変更はなく、売り上げ12億8600万円(前期比12.3%増)、営業利益2億5900万円(同20.4%増)、経常利益2億4800万円(同11.8%増)、純利益1億5600万円(同10.2%増)と見込み、純利益は、連続して過去最高を更新する。

 一方、米国のイマージョン社との技術提携は、同社の120種類以上の触覚効果を可能とするタッチセンステクノロジーをCRI・MWの国内で唯一の音声・映像のミドルウェアに組み入れることで、ゲーム開発者は、聴覚・視覚・触覚のすべての効果を駆使したゲームの演出を創造できることになり、製品の提供は今年夏頃を予定している。

■25日線出没でエネルギーを蓄積し急騰特性を発揮して上値再チャレンジ

 株価は、4月のストップ高で25日移動平均線から上放れVR関連株として逆行高展開を鮮明化し、年初来高値4395円まで買い進まれ、信用規制の強化とともに3030円まで調整、25日線を出没して下値を確認しつつエネルギーを蓄積してきた。同社ミドルウェアを採用したソニー<6758>(東1)のVR製品の発売なども控えており、再人気化は必至で急騰特性を発揮して上値チャレンジに再発進しよう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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