JSPの17年3月期は減収ながら利益面では過去最高を更新

■年間配当は50円と10円の増配

 樹脂発泡素材の大手JSP<7942>(東1)の17年3月期連結業績は、減収ながら増益で、利益面では過去最高を更新した。その結果、一株当たり純利益は16年3月期の198円40銭から244円94銭と大幅な伸びとなった。

 17年3月期連結業績は、売上高1090億48百万円(16年3月期比5.1%減)、営業利益96億12百万円(同3.6%増)、経常利益100億33百万円(同10.2%増)、純利益73億01百万円(同23.5%増)であった。

 好業績であったことから、年間配当は50円と10円の増配となった。

 セグメント別の業績は、押出事業の売上高は379億29百万円(同0.9%減)、営業利益は30億45百万円(同10.5%増)と減収ながら2ケタ増益。
 ビーズ事業の売上高は653億54百万円(同7.8%減)、営業利益は73億76百万円(同0.8% 減)と減収減益。
 その他の売上高は57億64百万円(同0.3%増)、営業利益は1億48百万円(同745.2%増)と微増収大幅増益。

 17年3月期は、利益面で過去最高を更新しているように、減収であったものの利益率の改善が進んだといえる。

 今期については、同社では、「国内事業は、原料価格の上昇の影響はありますが、建築・住宅向け高断熱材及び液晶テレビ基板の輸送用緩衝材の需要が堅調に推移するなど、全体としての販売数量が伸びることにより売上高は増加する見込みです。海外事業は、北米・欧州では、自動車生産台数の増加に加え、発泡ポリプロピレン「ピーブロック」のシートコア材等の自動車部品への採用拡大が進展するなど好調に推移する見込みです。中国では、2017年から大都市で欧州と同等の厳しい排ガス規制が前倒しされるなど、自動車の軽量化に向けた動きが一段と加速するものと予想しております。また、自動車市場も拡大を続けており「ピーブロック」の販売は好調に推移する見込みです。その他のアジア地域も堅調に推移する見込みです。」と予想している。

 その結果、18年3月期連結業績予想は、売上高1165億円(前期比6.8%増)、営業利益95億円(同1.2%減)、経常利益97億円(同3.3%減)、純利益67億円(同8.2%減)を見込む。

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■国内初、HVO51%混合燃料が建設現場で稼働  大成建設<1801>(東証プライム)とユーグレナ…
  2. ■従来の制作プロセスを刷新しAI時代の人材育成を推進  武蔵精密工業<7220>(東証プライム)は…
  3. ■高速道路で手放し運転が可能に、新開発「Honda SENSING 360+」がACCORDの運転支…
2025年7月
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
28293031  

ピックアップ記事

  1. ■5月訪日客数が過去最高、6月も好調持続の見込みで市場活況  足元のインバウンド需要は、好調に推移…
  2. ■インバウンド関連株は「トランプ関税」のリーチ圏外で小型割安株特性を発揮  「たかが1%、されど1…
  3. ■内需株に広がる「トランプ・ディール」回避の波  東京電力ホールディングス<9501>(東証プライ…
  4. ■日米関税交渉、7月9日に運命の日「90日猶予」迫る潮目  「三日、三月、三年」とは、潮目、変わり…
  5. ■祝日と金融政策が交錯する7月  7月は、7月21日が「海の日」が国民の祝日に制定されてからフシ目…
  6. ■「MMGA」効果の造船株・海運株は「海の日」月間キャンペーン相場も加わり一段高を期待  あと1カ…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る