【業績でみる株価】日華化学は年初来高値に接近、17年12月期第1四半期大幅増益で通期増額余地

 繊維加工用界面活性剤が主力の化学品メーカーで、クリーニング用薬剤や美容室向けヘア化粧品なども展開している日華化学<4463>(東1)の17年12月期第1四半期は大幅営業増益だった。そして通期予想に増額余地がありそうだ。株価は4月の直近安値圏から急反発して2月の年初来高値に接近している。好業績を評価して上値を試す展開が期待される。

 4月27日発表した17年12月期第1四半期(1月~3月)の連結業績は、前年同期比14.1%増の112億79百万円、営業利益が同56.7%増の4億76百万円、経常利益が同23.2%増の4億52百万円、純利益が同33.5%減の1億48百万円だった。

 法人税等が大幅に増加したため純利益は減益だが、化学品事業、化粧品事業とも好調に推移して2桁増収、大幅営業・経常増益だった。化学品事業では主力の繊維加工用薬剤の新規案件獲得を推進し、半導体市場向け製品や新たに上市した機能性樹脂製品が堅調に推移した。化粧品事業では子会社における化粧品製造受託事業が好調だった。

 17年12月期通期の連結業績予想(2月10日公表)は、売上高が16年12月期比4.0%増の460億円、営業利益が同9.7%増の16億円、経常利益が同0.7%増の16億円、純利益が同6.3倍の22億円としている。化粧品事業拡大に向けた投資負担などを吸収して増収増益予想である。純利益は台湾の子会社が所有する土地売却益も寄与する。なお想定為替レートは1米ドル=110円である。

 第1四半期の進捗率は第2四半期累計予想に対して売上高が50.1%、営業利益が68.0%、経常利益が64.6%、純利益が37.0%、そして通期予想に対しては売上高が24.5%、営業利益が29.8%、経常利益が28.3%、純利益が6.7%となる。期初時点で下期偏重の計画であることも考慮すれば通期会社予想に増額余地がありそうだ。

 株価は4月の直近安値圏1000円近辺から急反発している。そして5月2日には1250円まで上伸し、2月の年初来高値1388円に接近している。週足チャートで見ると26週移動平均線と13週移動平均線を一気に突破して強基調に回帰した形だ。好業績を評価して上値を試す展開が期待される。(MM)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■国内初、HVO51%混合燃料が建設現場で稼働  大成建設<1801>(東証プライム)とユーグレナ…
  2. ■従来の制作プロセスを刷新しAI時代の人材育成を推進  武蔵精密工業<7220>(東証プライム)は…
  3. ■高速道路で手放し運転が可能に、新開発「Honda SENSING 360+」がACCORDの運転支…
2025年7月
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
28293031  

ピックアップ記事

  1. ■内需株に広がる「トランプ・ディール」回避の波  東京電力ホールディングス<9501>(東証プライ…
  2. ■日米関税交渉、7月9日に運命の日「90日猶予」迫る潮目  「三日、三月、三年」とは、潮目、変わり…
  3. ■祝日と金融政策が交錯する7月  7月は、7月21日が「海の日」が国民の祝日に制定されてからフシ目…
  4. ■「MMGA」効果の造船株・海運株は「海の日」月間キャンペーン相場も加わり一段高を期待  あと1カ…
  5. ■選挙関連の「新三羽烏」の株価動向をウオッチ  足元では野党が石破内閣への内閣不信認決議案提出を見…
  6. どう見るこの相場
    ■米、イラン核施設を電撃空爆、緊張激化へ  「2週間以内」と言っていたのが、わずか「2日」である。…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る