【編集長の視点】日宣は小反落も連続の最高業績・増配を見直して超割安株買いの再燃が有望

 日宣<6543>(JQS)は、前日25日に6円安の2411円と小反落して引けた。今年4月17日につけた上場来安値2248円から200円超幅の底上げをしており、目先の利益を確定する売り物に押された。ただ下値には、今年2月16日の新規株式公開(IPO)後の初決算として発表した前2017年2月期業績が、IPO時予想を上ぶれて着地し、続く今2018年2月期業績が連続して過去最高更新と予想され、配当も42円と連続増配を予定していることを見直し超割安株買いが交錯した。とくに今期純利益が、旧本社の建物・土地の売却に伴う特別利益の計上で前期比2.56倍と大きく伸びることが、よりポジティブに買い評価されている。

■ケーブルテレビ業界向け高シェアを発揮し大手住宅メーカーからの受注も続伸

 同社の業績は、前2017年2月期の利益が、IPO時予想を1800万円~5700万円上ぶれて着地したあと、今2018年2月期業績は、売り上げ50億2500億円(前々期比7.1%増)、営業利益4億2700万円(同13.8%増)、経常利益4億2800万円(同2.6%増)、純利益6億6300万円(同2・56倍)と予想され、前期の過去最高を連続更新する。住宅業界、ホームセンター業界、製薬業界、ドラッグストア業界、放送・通信業界の業界に特化して独自のマーケティングメソッドに基づき広告事業を展開する老舗広告代理店として、放送・通信業界のケーブルテレビ向けテレビ番組情報誌で7割を超える高シェアを誇る強みを引き続き発揮するほか、大手住宅メーカーから継続的な受注を見込み、顧客ニーズに対応したデジタルマーケティング施策については映像・インターネット領域のサービスを開発することなどが要因となる。純利益は、資産効率の向上、財務体質の強化を図るため旧本社建物・土地を売却、5億8500万円の特別利益を計上することで前期の過去最高を大幅に連続更新する。

 今期配当は、配当性向のメドを30%とする利益還元の基本政策に従って、42円(前期実績38円)に連続増配を予定している。なおこの42円配当は、今期計上予定の固定資産売却益を除いた正味の期間利益をベースにしており、なお上積み期待も底流している。

■最高値調整幅の3分の1戻し水準からPER7倍台の超割安修正で全値戻しに再挑戦 

 株価は、今年2月のIPO時の公開価格1600円に対して3000円で初値をつけ即日、上場来高値3030円まで上ぶれ、配当権利落ちと今年3月~4月のIPOラッシュのなか上場来安値2248円まで調整したが、PERはわずか6倍台は評価不足として再騰、最高値から最安値までの調整幅の3分の1戻し水準までリバウンドした。足元のPER評価は、なお7倍台とジャスダック市場平均の16.8倍を大きく下回っており、全値戻しの上場来高値奪回に弾みをつけよう。(本紙編集長・浅妻昭治)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■東京大学発スタートアップが開発、19自由度のヒューマノイドロボット  東京大学発スタートアップH…
  2. ■売却面積は約1.6倍に、総額1,785億円超の譲渡価額  東京商工リサーチは6月30日、2024…
  3. ■従来の検索では見つけられなかった本との出会いを創出  富士通<6702>(東証プライム)傘下の富…
2025年8月
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

ピックアップ記事

  1. ■株主還元強化が市場の安心材料に  東京エレクトロン<8035>は8月1日、2025年3月期の業績…
  2. ■市場の霧が晴れ始めた、個別銘柄の好調が投資家を惹きつける  前週31日の植田和男日銀総裁の記者会…
  3. ■利上げか、現状維持か?日銀総裁の決断で明暗分かれる8月相場  日銀の金融政策を巡る不確実性が続く…
  4. ■選挙惨敗の石破首相に退陣要求、政局混迷の行方  まるで狂言の『乳切木』(ちぎりき)を観るようであ…
  5. ■九州地盤銘柄に割安感、福証単独上場企業にも注目集まる  東京エレクトロンやアドバンテストなどの半…
  6. ■参院選で与党過半数割れ、石破政権の行方不透明に  7月20日投開票の参議院議員選挙は、大手メディ…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る