クリーク・アンド・リバー社は自律調整一巡して上値試す、18年2月期2桁増益予想で増額余地

日インタビュ新聞ロゴ

 クリーク・アンド・リバー社<4763>(東1)は、クリエイティブ分野を中心にエージェンシー事業、プロデュース事業、ライツマネジメント事業を展開し、事業領域拡大戦略を加速している。18年2月期2桁増益予想で増額余地がありそうだ。株価は7月高値から反落したが、自律調整一巡して上値を試す展開が期待される。

■クリエイティブ分野中心にエージェンシー事業やプロデュース事業を展開

 クリエイティブ分野(映画・TV番組・ゲーム・Web・広告・出版等の制作)で活躍するクリエイターを対象としたエージェンシー(派遣・紹介)事業、プロデュース(制作請負・アウトソーシング)事業、ライツマネジメント(著作権管理)事業を展開している。

 新規事業分野として電子書籍取次事業、作家・オンラインクリエイター・建築・ファッションクリエイター・シェフ・プロフェッサーなどのエージェンシー事業、さらにAI(人工知能)関連やVR(仮想現実)関連へ展開し、M&Aも積極活用して事業領域拡大戦略を加速している。当面は人件費などの費用が先行するが順次収益化を見込んでいる。

 17年2月期セグメント別売上高構成比は、日本クリエイティブ分野64%、韓国クリエイティブ分野12%、医療分野12%、その他11%だった。なお韓国クリエイティブ分野のうちTVマーケット関連事業は新設会社に承継し、18年2月期第2四半期から持分法適用関連会社とした。連結売上高が剥落するが、利益への影響は小さい。

 収益面では医療分野の売上と利益が季節要因で第1四半期と第2四半期に偏重するため、全体としても上期の構成比が高い特性がある。主力の日本クリエイティブ分野は売上・営業利益とも拡大基調だ。

■18年2月期2桁増益・連続増配予想で増額余地

 今期(18年2月期)連結業績予想(4月6日公表)は、売上高が前期(17年2月期)比0.3%減の265億円、営業利益が11.8%増の18億円、経常利益が18.4%増の17億50百万円、純利益が12.0%増の10億円としている。配当予想は1円増配の年間10円(期末一括)で、予想配当性向は21.0%となる。

 微減収見込みだが、日本クリエイティブ分野が好調に推移し、韓国のTVマーケット関連事業を持分法適用関連会社化した影響を除くと、実質的に13%増収見込みである。利益面では積極的な人材投資などで販管費が増加するが、内制化進展による売上総利益率改善や新規事業分野の収益化も寄与して2桁増益予想である。

 通期予想に対する第1四半期の進捗率は売上高29.0%、営業利益42.3%、経常利益43.7%、純利益45.9%である。医療分野の売上と利益が季節要因で第1四半期と第2四半期に偏重することなどを考慮しても、通期予想に増額余地がありそうだ。戦略的投資の効果や新規事業領域の収益化で好業績が期待される。

■株価は自律調整一巡して上値試す

 株価は00年来高値7月20日の1538円から利益確定売りで一旦反落したが、1200円近辺から切り返しの動きを強めている。

 8月30日の終値1304円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS47円51銭で算出)は27~28倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間10円で算出)は0.8%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS265円51銭で算出)は4.9倍近辺である。時価総額は約295億円である。

 週足チャートで見ると13週移動平均線近辺から切り返してサポートラインを確認した形だ。自律調整一巡して上値を試す展開が期待される。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■東京・愛知・兵庫で屋外広告も掲出、号外や無料バッティング企画も実施  Major League …
  2. ■新生児対象の臨床試験で抗炎症作用と菌叢改善を実証  森永乳業<2264>(東証プライム)は7月2…
  3. ■「日本栄養・食糧学会大会」で研究成果発表、科学的根拠を提示  味の素<2802>(東証プライム)…
2025年9月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

ピックアップ記事

  1. ■東証市場、主力株急落と中小型株逆行高で投資戦略二極化  証市場は9月19日に主力株の急落と中小型…
  2. どう見るこの相場
    ■プライム市場の需給悪化を警戒し、個人投資家は新興市場へ資金を逃避  「桐一葉 落ちて天下の秋を知…
  3. ■01銘柄:往年の主力株が再評価、低PER・PBRで買い候補に  今週の当コラムでは、買い遅れカバ…
  4. ■日米同時最高値への買い遅れは「TOPIXコア30」と「01銘柄」の出遅れ株でカバー  日米同時最…
  5. ■東京株、NYダウ反落と首相辞任で先行き不透明  東京株式市場は米国雇用統計の弱含みでNYダウが反…
  6. ■株式分割銘柄:62社に拡大、投資単位引き下げで流動性向上  選り取り見取りで目移りがしそうだ。今…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る