【編集長の視点】船場は反落も3Q決算発表をキッカケに割り負け訂正買い再燃で最高値追いに再発進が有力

株式評論家の視点

 船場<6540>(東2)は、前週末2日に8円安の1303円と反落して引けた。2日前場取引時間中に10月31日につけた上場来高値1315円に顔合わせしており、3連休を控えた大引けにかけ目先の利益を確定する売り物が出た。ただ、同社は、今年11月14日に今2017年12月期第3四半期(2017年1月~9月期、3Q)決算の発表を予定しており、同決算開示をキッカケに今年7月31日に開示した今期業績の下方修正は織り込み済みと再確認されるとの観測も強まっており、押し目は買いに分がありそうだ。中期経営計画で、営業利益が、2018年12月期に増益転換し、2019年12月期には4期ぶりに過去最高を更新することを目標にしていることも、フォローの買い材料と評価されている。

■今期業績は下期回復型で来々期には過去最高の営業利益更新を目指す

 同社の業績は、今年7月31日に今期第2四半期(1月~6月期、2Q)累計業績とともに、通期(1月~12月期)が下方修正され、売り上げ300億円(前期比8.6%増)、営業利益15億5000万円(同9.6%減)、経常利益15億5000万円(同10.0%減)、純利益10億1000万円(同8.0%減)と予想されている。都市部の専門店、大型店・複合商業施設の受注が堅調に推移し、今期2Q期末の受注残高が、前年同期比17.8%増の47億9600万円と伸び、通期売り上げ自体は、期初予想に変更はなく増収転換するが、利益は、外注比率の高い施行案件が増加し工事原価率が上昇し、人員増加に対応したオフィス移転費用を計上したことなどが下方修正要因となった。

 ただ、この通期業績は、上期(2Q累計)より下期回復型の業績予想となっている。売り上げは、上期の148億300万円に対して下期が151億9600万円、営業利益が同じく7億5400万円に対して7億9500万円となっており、下期立ち上がりの今期3Q決算でこの下期回復型を確認すれば、下方修正は一段と織り込み済みとの評価が高まる見込みである。また中期計画では、来期の2018年12月期に売り上げ320億円、営業利益19億円、来々期の2019年12月期に売り上げ340億円、営業利益21億円を目標としており、来々期の営業利益は、2015年12月期の過去最高(20億4000万円)を4期ぶりに更新する計画となっているだけに、今期下期以降に再成長期入りとなることを示唆している。
 
■IPO時の初値割れから最高値に直行もPERはなお12倍台と市場平均を下回る

 株価は、今年7月の下方修正で窓を開けて1130円まで急落、昨年12月の新規株式公開(IPO)時につけた初値(1193円)割れは下げ過ぎとして底上げし窓を埋め、弾みをつけてIPO時の公開価格1290円を上抜き、上場来高値に直行した。最高値で一服場面となっているが、PER評価はなお12倍台と東証2部全銘柄平均(25.31倍)を大きく下回り割り負けている。今期配当の35円(前期実績26円)への連続増配で配当利回りも、2.68%と東証2部全銘柄平均(1.53%)を上回っており、最高値追いへの再発進を強力サポートしよう。(本紙編集長・浅妻昭治)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■国際特許分類や元素リストを用いて多様な解決策を自動生成  AGC<5201>(東証プライム)は1…
  2. ■Newton・GR00T・Cosmosを軸にロボット研究を高速化  NVIDIA(NASDAQ:…
  3. ■700億パラメータ規模の自社LLMを金融仕様に強化、オンプレ環境で利用可能  リコー<7752>…
2025年11月
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930

ピックアップ記事

  1. ■鶏卵高騰・クマ被害・米政策転換、市場が注視する「3素材」  2025年11月、師走相場入りを前に…
  2. ■AI株からバリュー株へ資金移動、巨大テックの勢い一服  「AIの次はバリュー株」と合唱が起こって…
  3. ■日銀トレード再び、不動産株に眠る超割安銘柄  今週の投資コラムは、政策金利据え置きの投資セオリー…
  4. ■日銀据え置きでも冴えぬ不動産株、銀行株が主役に  株価の初期反応が何とも物足りない。10月30日…
  5. ■造船業再生へ3500億円投資要望、経済安全保障の要に  日本造船業界は、海上輸送が日本の貿易の9…
  6. ■高市政権が描く成長戦略、戦略投資テーマ株に資金集中  「連立政権トレード」は、早くも第2ラウンド…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る