【業績でみる株価】セックは調整一巡して戻り歩調、受注好調で18年3月期2桁増益予想

 セック<3741>(東1)はリアルタイムソフトウェア技術に強みを持つシステム開発会社である。受注好調で18年3月期2桁増益予想である。株価は10月の年初来高値圏から反落したが、調整一巡して戻り歩調だ。なお11月16日に立会外分売を実施した。

■リアルタイムソフトウェア技術に強みを持つシステム開発会社

 リアルタイムソフトウェア技術に強みを持つシステム開発会社である。モバイルネットワーク、インターネット、社会基盤システム、宇宙先端システムの分野に展開している。

 中期的には、既存分野である社会基盤システム事業の収益をベースとして、成長分野である車両自動走行分野やサービスロボット分野を拡大する方針だ。17年10月には、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が実施している「ロボット活用型市場化適用技術プロジェクト」の委託先に採択された。

■18年3月期2桁増益予想

 18年3月期非連結業績予想は売上高が17年3月期比1.7%増の45億円、営業利益が15.5%増の5億円、経常利益が14.0%増の5億20百万円、純利益が14.5%増の3億60百万円としている。研究開発への投資などで販管費が増加するが、先行投資負担を吸収して2桁増益予想である。

 第2四半期累計は売上高が前年同期比12.7%増の22億87百万円、営業利益が57.1%増の2億05百万円、経常利益が54.9%増の2億21百万円、純利益が41.5%増の1億38百万円だった。計画超の大幅増収増益だった。外注費や研究開発費の増加などを増収効果で吸収した。

 ビジネスフィールド(BF)別には、モバイルネットワークBFが移動体通信事業者向けのサービス系開発が好調で6.7%増収、インターネットBFが民間企業向け開発案件の減少で5.6%減収、社会基盤システムBFが官公庁案件や医療関連案件の増加で27.4%増収、宇宙先端システムBFが車両自動走行研究開発案件やロボット研究開発案件の増加で26.3%増収だった。

 通期会社予想に対する第2四半期累計の進捗率は売上高が50.8%、営業利益が41.0%、経常利益が42.5%、純利益が38.3%である。やや低水準の形だが、システム開発関連で第4四半期の構成比が高い特性や、第2四半期末時点で過去最高水準の受注残高(40.3%増の18億55百万円)を考慮すれば、通期ベースでも好業績が期待される。

■株価は調整一巡して戻り歩調

 株価(17年9月29日付で東証2部から東証1部に市場変更)は、10月の年初来高値2774円から反落したが、11月16日の直近安値2168円から切り返している。調整一巡して戻り歩調だ。12月6日の終値は2380円、今期予想PERは34倍近辺、時価総額は約122億円である。

 週足チャートで見ると26週移動平均線近辺から切り返してサポートラインを確認した形だ。調整一巡して戻りを試す展開が期待される。(MM)

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