【編集長の視点】オプティマスは小反落も期待の決算発表を好形チャートがサポートして割り負け訂正買いが下支え

 オプティマスグループ<9268>(東2)は、前日1日に4円安の2114円と連休を挟んで変わらずを含め3営業日ぶりに小反落して引けた。大型連休の谷間で、市場参加者が少ないなか、小口売りに押された。ただ同社は、大型連休明け後の今年5月15日に3月期決算の発表を予定しており、ニュージーランド向けの自動車運搬船から害虫のカメムシが発見されたアクシデントで下方修正された前2018年3月期業績に対して、この影響が一巡する今2019年3月期業績の平準化を先取りして割り負け訂正買いが下値を支えた。テクニカル的にも、下方修正で突っ込んだ上場来安値1870円からは、上昇相場転換を示唆するシグナルの「陽足包み足」、「赤三兵」などを次々に示現しており、25日移動平均線水準での三角保ち合いからの上放れ期待を高めている。

■アクシデント一巡後の2019年3月期業績はニュージーランドドル高・円安も寄与

 同社が、目下集計中の前2018年3月期業績は、昨年12月26日の新規株式公開(IPO)時予想より売り上げが7億8000万円引き上げられたものの、利益は、3億4300万円~1億6800万円引き下げられ、売り上げ264億5200万円(前期比2.3%減)、営業利益12億4500万円(同21.0%減)、経常利益13億8400万円(同28.8%減)、純利益9億1000万円(同33.4%減)と予想された。今年2月6日にニュージーランドのオークランドに入港した日本発の自動車運搬船からカメムシが発見され同国港への着船拒否、車両の荷揚げ制限と続き、同23日には同国の管轄省庁から日本からの輸出車両の船積前の殺虫剤散布、輸送船内での殺虫剤の燻煙処理などが勧告され物流の混乱が生じたのが要因となった。このアクシデントにより同社の2月の販売台数(船積台数)が遅延し、この遅延分を3月にリカバーさせたものの、物流事業、輸入検査事業、サービス事業の一部にも、3月船積分に期ずれが生じたことが利益を圧迫した。

 同アクシデントの影響が一巡し平準化する次期の今2019年3月期業績の動向については、今年5月15日予定の3月期決算発表時の業績ガイダンスを待つ必要がある。しかし、ここで参考にしたいのが、アクシデント発生前の前期第3四半期(2017年4月~12月期)業績である。利益進捗率は、IPO時予想の3月通期業績に対して71~78%と目安の75%をほぼ順調にクリアし、ニュージーランドドル高・円安で1億1500万円の為替差益も計上した。平準後の次期2018年3月期業績への期待をつなぐもので、とくに新規参入を検討中のオーストラリアへの中古自動車輸出が進展すれば、業績の様変わりも想定される。

■「陽足包み足」、「赤三兵」の上昇転換シグナルを示現しPER11倍の修正に再発進

 株価は、昨年12月26日に公開価格1800円でIPOされ、2001円で初値をつけ、間にストップ高を挟んで上場来高値3100円まで買い上げられる高人気となった。その後、カメムシ発見で上場来安値1870円へ急落し、業績下方修正では逆に悪材料織り込み済みとして底上げに転じた。この底上げ途上では、日足でチャート分析上の上昇転換を示唆するシグナルの「陽足包み足」、「赤三兵」を次々に示現して最高値から最安値までの調整幅の3分の1戻しに該当する2277円の戻り高値をつけ、25日移動平均線水準での三角保ち合いに煮詰まり感を強めていた。前期業績下方修正ベースでもPERは11倍台と割り負けており、三角保ち合いを上放れ、最高値からの調整幅の半値戻し、全値戻しと上昇トレンド入りを鮮明化させよう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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