【材料で見る株価】ストリーム:組織を再編し業績は大幅回復し東証2部に昇格

■このところの調整によりPERが低下し待ち伏せ買いゾーンに迫る動き

 家電やIT機器のネット通販事業などを展開するストリーム<3071>(東マ)は、2018年5月1日付で完全子会社2社を吸収合併し、大きく見るとグループ企業をストリーム本体および化粧品開発販売などの連結子会社エックスワンの2社体制に再編成した。
 
■「運が向いてきたというか、勢いが出てきた印象」との受け止め方も

 また、6月1日には、同社株式が東証マザーズから東証2部に昇格(市場変更)した。6月8日に発表した第1四半期(2019年2月~4月)の連結業績は、売上高が前年同期比10.2%増加して57億2900万円となり、営業利益は同じく73.0%増の3200万円となるなど、大幅な増収増益となった。

 そして2019年7月には設立20周年を迎える。証券会社の調査筋の中には、「運が向いてきたというか、勢いが出てきた印象があり、アナリストの僕が言うと変だが、こうしたことも含めて評価すべきかもしれない」といった意見も出ている。

 主な事業を概観すると、「インターネット通販」事業は、独自開発したローコスト・オペレーション・システムにより、オリジナル・サイト「ECカレント」などを運営するほか、「楽天市場」「Yahooショッピング」「Amazonマーケットプレイス」などの大手外部サイトにも出店する。中でも、自社サイトの「ECカレント」は、米グーグル社から世界の優良ネットショップとして日本で初めて選ばれた5社に入った実績があり、日本におけるリーディング・カンパニーとしての位置づけを獲得している。

■「ビューティ&ヘルスケア」事業:実は旧ダイエーの子会社が牽引し拡大

 「ビューティ&ヘルスケア」事業は、連結子会社エックスワンで展開する。エックスワンは、実は、昭和39年に株式会社ダイエーの化粧品・健康食品子会社として設立された老舗の企業だ。現在は、14年に発売して以来ロングセラーを続けているヒト幹細胞培養液を配合したコスメシリーズ「XLUXES」(エックスリュークス)、18年1月に新商品として上市したヒト幹細胞培養液配合の美容液「XLUXESプロケア リバーセラムW」などが堅調に推移している。

 この4月以降は、新たな販売チャネルの展開を図るべく、(株)井田両国堂が出店する小田急百貨店・新宿店や髙島屋大阪店、博多阪急などの売り場を中心に全国8ヵ所でコスメシリーズ「XLUXES」を順次、販売開始した。

 今期・19年1月通期の連結業績見通しは、第1四半期発表の段階で、売上高を前期比13.3%増の254億700万円とし、営業利益は同2.2倍の2億700万円とした。
ビューティ&ヘルスケア事業では、大手百貨店などでの店舗販売開始にともなう販売管理費が当初の想定より増加したというが、それでも通期の連結純利益は同7.3倍の1億2200万円、1株利益は4円50銭の見通しとした。

 このところの株価は、東証2部に昇格した6月1日の終値124円を起点として、同7日には148円まで19%高(24円高)となった。その後は、東証2部指数やマザーズ指数を含む全体相場が調整に転じたこともあり、6月28日には115円まで調整した。しかし、これによってPERは25倍前後まで低下し、一時の30倍超の水準からは大きく割安になってきた。全体相場の安定化とともに再び出直る可能性は十分にああり、こうした再騰をイメージする場合、「待ち伏せ買い」を入れる位置が次第に迫ってくる動きとみることができそうだ。(HC) 

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