【株式評論家の視点】レオパレス21は土地信託や不動産管理信託の営業開始に期待感、リバウンド相場を期待

株式評論家の視点

 レオパレス21<8848>(東1)は、2018年3月期から2020年3月期の3か年計画「Creative Evolution 2020」において、「企業価値の更なる向上に資するコア事業の継続的成長と成長分野の基盤構築」を基本方針とし、現下の事業環境を見据えた上で同社グループの目指すべき姿を明確にし、コア事業による継続的成長とともに、将来の同社グループの成長に資する成長分野の基盤を構築し、企業価値と新たな社会価値の創造を目指している。

 中計2年目である今期は、テーマを「人づくり・組織づくり元年」とし、同社グループを牽引する起業家精神に富んだ人材と、変革を実現できる組織体制構築に向け基盤作りをしている。また、健康経営をさらに加速させるため、5月1日付で社長直轄組織『ヘルスケア推進室』を新設。従業員の働きやすさ・生産性の向上に引き続き注力するとともに、環境面を考慮した太陽光発電事業への取り組み、ガバナンス体制の強化含め、今後もESGを意識した経営を推し進めている。

 今19年3月期第2四半期業績予想は、売上高2604億円(前年同期比0.6%増)、営業利益92億円(同34.2%減)、経常利益97億円(同29.8%減)、純利益72億円(同24.1%減)を見込む。

 今19年3月期業績予想は、売上高5530億万円(前期比4.2%増)、営業利益245億円(同6.8%増)、経常利益240億円(同7.4%増)、純利益150億円(同1.2%増)を見込む。年間配当予想は、22円(第2四半期末10円、期末12円)継続を予定している。

 株価は、5月11日につけた年初来の高値1023円から6月28日に年初来の安値581円と調整。昨年5月安値水準に届き往って来いで、下値固めとなっている。同社施工物件における界壁施工不備問題に関する補修コストが100億円を超える可能性を指摘されたことを嫌気した売りは続いたが、値ごろ感はある。この5月、アパートオーナーへのスムーズな資産承継のサポート、およびコンサルティングサービス強化を目的に設立したレオパレス信託株式会社が、金融庁より「運用型信託会社」の免許を取得し、土地信託や不動産管理信託を全国約28,000名の同社オーナー向けに7月から営業を開始することへの期待感がある。今期予想PER10倍台と割安感があり、配当利回り3.5%と利回り妙味も増す水準。また、同社は830万株(3.28%相当)・80億を上限に5月14日から来年3月29日まで自社株買いを実施中で、6月30日現在、累計1,194,100株、総額7億8388万4,100円買付済み。まだ十分買い余力を残しており、リバウンド相場が期待されそうだ。(株式評論家・信濃川)

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