【株式評論家の視点】ズームは8月10日に第2四半期決算を発表、下押す場面は買い妙味

株式評論家の視点

 ズーム<6694>(JQS)は、2017年3月28日に東京証券取引所JASDAQ(スタンダード)に上場。同社グループは、音楽用電子機器の開発及び販売を主な事業としており、「WE’RE FOR CREATORS」という基本理念のもと、世界中のクリエーターがよりユニークでオリジナルな作品を創造できるツールを提供することによってブランド力を向上し、株主、従業員や取引先などの同社グループと関係するステークホルダーから評価される企業を目指している。

 同社は、ポータブルなハンディレコーダーをはじめ、エフェクトプロセッサー、マルチトラックレコーダー、オーディオ・インターフェース、リズムマシン、サンプラーなど、レコーディング機器から電子楽器まで幅広い製品を開発している。30年以上に渡り、最新のDSPテクノロジーをベースにした革新的な製品をリーズナブルなプライスで提供している。「音」と「音楽」に特化した事業を展開、国内では島村楽器、石橋楽器、池部楽器、アマゾン、モリダイラ楽器、山野楽器、ESP、他国内主要楽器店500店舗で、海外では50以上の販売代理店網により世界130か国と幅広い国・地域で「ZOOM」ブランドが浸透している。

 5月10日に発表した今2018年12月期第1四半期業績実績は、売上高15億3500万円(前年同期横ばい)、営業利益3000万円(同62.3%減)、経常利益4000万円(同12.0%減)、純利益2700万円(同2.8%減)に着地。ドルベースの売上は増加したが為替レートが円高に推移したため、前年同期比で横ばい。研究開発費増加及び子会社買収費用等により販管費が増加したため、減益となったが計画通りに進捗している。北米向けが在庫調整により減少した一方中国向けが大きく伸びているほか、第2四半期からイタリアMogar社を連結化することが注目される。

 今18年12月期業績予想は、売上高73億1300万円(前期比16.1%増)、営業利益3億7700万円(同15.1%増)、経常利益4億3300万円(同19.5%増)、純利益3億4000万円(同17.9%増)を見込む。年間配当予想は、期末一括45円(同10円増)増配を予定としている。

 株価は、1月29日につけた年初来の高値3240円から7月10日に年初来の安値1702円まで調整。その後、モミ合っている。年末商戦に合わせて下期に増加する傾向があり、3期ぶりに営業最高益を更新する見通しのほか、今期予想PER11倍台・PBR0.91倍と割安感があり、配当利回り2.5%と利回り妙味もある。25日移動平均線を上値に日柄調整となっているが、8月10日の第2四半期決算を前に下押す場面があれば、買いを考えるところだろう。(株式評論家・信濃川)

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