Jトラストは反落も好形チャート形成とV字回復業績見直しのシナジー効果で逆張り妙味

 Jトラスト<8508>(東2)は、前日9日に12円安の424円と4営業日ぶりに反落して引けた。同社株は、日経平均株価が、フシ目の1万9000円台を割って急落した影響を受け、昨年12月25日に昨年来安値387円へ突っ込んだが、売られ過ぎとして底上げしており、目先の利益を確定する売り物に押された。ただ、取引時間中には440円まで買い進まれる場面があり、昨年来安値からのリバウンド途上で3本の陽線が同方向に続く「赤三兵」を示現、買い転換シグナルが点灯したとして逆張りの買い物も交錯した。今2019年3月期業績が、V字回復すると予想されていることも見直されシナジー効果を期待されている。

――――日本・韓国事業は順調に推移し10月からはインドネシアのオートローン事業も上乗せ――――

 同社の今2019年3月期通期業績は、営業収益833億7800万円(前期比9.3%増)、営業利益70億7300万円(同3.0倍)、純利益53億1800万円(前期は7億3100万円の赤字)とV字回復が見込まれている。昨年11月13日に発表された今期第2四半期(2018年4月~9月期、2Q)累計業績は、今期から適用したIFRS(国際財務報告基準)第9号に伴い韓国及びモンゴル金融事業や東南アジア金融事業などでの貸倒引当金の繰入れが増加して赤字転落したが、日本・韓国事業そのものは順調に推移しており、やや回復に手間取っていた東南アジア金融事業では、下期に債権管理部門と回収部門を融合して効率化を図り、不良債権の抑制と回収強化により貸倒引当金戻入益を計上することなどでV字回復を見込んでいる。また、今年9月26日付けでインドネシア当局から株式取得を承認されたオートローンの老舗であるPT OLYMPINDO MULTI FINANCE(OMF)も、今年10月以降の業績上乗せが期待されている。

 このほか、並行して12月19日には連結子会社のCapital Continent Investment NBFI(本社:モンゴル・ウランバートル)が、越境ECサイト運営のビィ・フォアード(東京都調布市)と中古車販売事業者向け資金融資に係る業務提携を締結し、 総合エンターテイント事業子会社のKeyHolder<4712>(JQS)が、新規事業のカラーコンタクト事業を開始し、アイドルグループの「SKE48」事業を承継するなどの成長戦略も積極推進している。

――――買い転換シグナルの「赤三兵」を示現し昨年来高値からの調整幅の3分の1戻しへチャレンジ――――

 株価は、今期2Q業績の赤字着地と世界株安とが響いて516円安値をつけ、売られ過ぎとして584円までリバウンドしたが、昨年12月26日に日経平均株価が一時、フシ目の1万9000円を割ったことが波及して昨年来安値387円へ突っ込んだ。同底値固めでは、3本の陽線が続いて買い転換シグナルとなる「赤三兵」が示現した。昨年6月の昨年来高値1006円の高値期日も一巡しており、PER8倍台、PBR0.3倍の売られ過ぎ修正で、まず昨年来高値からの調整幅の3分の1戻しの593円奪回にチャレンジしよう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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