【編集長の視点】ネオジャパンは反落も3Q高進捗率業績を手掛かりに最高業績の上ぶれ期待を高めて押し目買いが交錯

ネオジャパン<3921>(東1)は、前日28日に25円安の825円と反落して引けた。日経平均株価が、反落して引けたことから、昨年12月25日につけた東証第1部への市場変更後の安値624円からの大きく底上げ途上にある同社株にも、目先の利益を確定する売り物が出た。ただ取引時間中には886円まで買い進まれる場面があり、1月期期末の配当権利取りの買い物や、昨年12月13日に発表した今2019年1月期第3四半期(2018年2月~10月期、3Q)業績が、2ケタ増収増益と続伸し、1月通期業績に対して高利益進捗率を示したことを手掛かりに通期業績が上ぶれ連続過去最高業績をさらに伸ばすと期待する押し目買いが交錯した。今年1月には、外部システムとの連携を強化したビジネスチャット「ChatLuck」やグループウェア「desknet’s NEO」のそれぞれの新バージョンの提供を開始したことも、来期業績の押し上げ材料として注目されている。

■グループウェアのクラウド版が高成長し3Q利益は通期予想業績対比で95%の高進捗

 同社の今1月期3Q業績は、売り上げ19億7700万円(前年同期比16.6%増)、営業利益4億6300万円(同14.7%増)、経常利益4億7700万円(同13.9%増)、純利益3億2500万円(同11.5%増)と続伸した。クラウドサービスでは、グループウェア「desknet’s NEO」のクラウド版が、導入ユーザー数の拡大により前年同期より27.5%伸びたことを中心に売り上げが同19.9%増となり、プロダクト事業では、昨年10月にリリースした業務アプリツール「AppSuite」が計画を上回ったことで同2.3%増となり、技術開発事業でも、ECサイト関連の受託開発などが寄与して同4.2倍となったことなどが要因となった。

 1月通期業績は、期初予想に変更はなく売り上げ26億円(前期比12.5%増)、営業利益4億9100万円(同13.7%増)、経常利益5億0700万円(同12.5%増)、純利益3億3400万円(同4.9%増)と見込み、連続して過去最高を更新する。ただ3Q業績は、この1月通期予想業績に対して売り上げが76%、利益が94%~95%の高進捗率を示しており、業績の上ぶれ着地期待を高めている。なお配当は、前期に昨年1月の東証1部への市場変更を記念した記念配当1円を含めて年間5.5円を実施、今2019年1月期は、普通配当として5円を予定しており、普通配当は実質で連続増配となる。

■「半値八掛け2割引き」割れ水準から急速に底上げしまず3分の1戻しを照準

 株価は、四半期決算の発表のたびに昨年6月は277円高、9月は316円高したが、昨年12月の3Q決算開示時は、全般相場が急落し、日経平均株価が一時、1万9000円台を割ったことに巻き込まれて東証第1部上場来安値624円へ突っ込み、アノマリー的に底打ち指標とされる昨年3月につけた東証第1部へ市場変更後の高値2230円からの「半値八掛け2割引き」水準を下回ったことから急速に底上げ、期末の配当権利取りも加わり4割高した。まず3月高値からの調整幅の3分の1戻しの1159円を目指す底上げ継続が見込まれる。(本紙編集長・浅妻昭治)

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