【編集長の視点】清水建設は黒字転換拡大の業績上方修正などフルセット株人気を再燃させて反発

 清水建設<1803>(東証プライム)は、前日11日に15円高の1198.5円と反発して引け、取引時間中には1201.5円と1200円台に乗せて11月12日につけた年初来高値1247円を視野に捉えた。同社株は、今年11月12日に今2025年3月期第2四半期(2024年4月~9月期、2Q)累計決算の開示とともに、今3月期通期業績の上方修正と増配、自己株式取得を発表しており、今期純利益が大幅黒字転換することを手掛かりにフルセット銘柄人気を再燃させた。値ごろ的にも、スーパーゼネコンのなかで株価がもっとも低位にあり、テクニカル的にも、25日移動平均線が、75日移動平均線を上抜くゴールデンクロス(GC)を示現して上昇トレンド転換を示唆しており、フォローの材料視されている。

■建築・土木工事の施工が順調に進み完成工事利益率がアップ

 同社の今3月期通期業績は、期初予想より売り上げを600億円、営業利益を150億円、経常利益を130億円、純利益を200億円それぞれ引き上げ、売り上げ1兆8600億円(前期比7.3%減)、営業利益560億円(前期は246億8500万円の赤字)、経常利益540億円(同198億3400万円の赤字)、純利益600億円(前期比3.49倍)と見込み、営業利益、経常利益は大幅黒字転換し、純利益は大幅増益転換する。前期業績は、工事採算の悪化で下方修正・赤字転落となったが、今期は、国内の建築・土木工事の施工が順調に進んで完成工事総利益が増加し、完成工事利益率が、期初予想の6.4%(建築6.1%、土木7.8%)から7.5%(同7.1%、8.8%)にアップすることが要因で、政策保有株縮減による株式売却益400億円も上乗せとなる。

 業績の上方修正に伴い今期配当も、期初予想の23円から35円(前期実績20円)に引き上げ前期の減配から増配幅の拡大を予定している。また取得株式数2600万株(発行済み株式総数の3.73%)、取得総額200億円とする自己株式取得も、11月13日から来年3月31日までを取得期間として推進中である。

■GC示現で上昇トレンド転換を示唆し低PER・PBR修正を支援

 株価は、2月に下方修正した前期業績を4月に一転して上方修正して1000円台大台を回復し、今期業績の増益転換予想では織り込み済みとして下値を探り、8月の全般相場急落時には年初来安値793.3円に突っ込んだ。同安値からは売られ過ぎとして1000円台までリバウンドし、今期業績の上方修正・増配・自己株式取得のフルセット発表で年初来高値1247円まで買い進まれ、25日線が75日線を上抜くGCを示現して上昇トレンド転換を示唆した。PERは13.9倍、PBRは0.96倍、配当利回りは2.92%と市場平均を下回ってなお割安であり、年初来高値奪回から2017年11月高値1396円が次の上値フシとして意識されよう。(情報提供:日本インタビュ新聞・株式投資情報編集長=浅妻昭治)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■シャープ堺工場跡地を再活用、水冷技術と再エネ電力で高性能計算を実現  KDDI<9433>(東証…
  2. ■2026年3月6日全国公開、日本の観客へ感謝を込めた特別版  ギャガは、『映画 冬のソナタ 日本…
  3. ■写真555点で広がる味覚の世界、0歳からの「はらぺこ図鑑」  学研ホールディングス<9470>(…
2026年3月
 1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
3031  

ピックアップ記事

  1. ■JR東日本、約40年ぶり運賃改定で鉄道株に注目  JR東日本<9020>(東証プライム)は3月1…
  2. ■中東情勢の行方が左右する「彼岸底」シナリオと原油危機回避の可能性  願わくば少なくともアノマリー…
  3. ■投資バリューは中立も株価材料として機能する局面も  株式市場は3月相場入りを控え、株式分割銘柄の…
  4. ■東京市場、株式分割ラッシュ拡大、値がさ化の進行が契機  3月相場は、また「二日新甫」である。「二…
  5. ■地銀・建設・リサイクル株が業績上方修正クラスターを形成  今週の当コラムは、内需ディフェンシブ株…
  6. ■「TACO」神話揺らぐ、内需関連が上場来高値圏  またまた「TACO(トランプはいつも尻込みする…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る