【どう見るこの相場】どこまで上がるNT倍率

どう見るこの相場

■年金資金が高ROE銘柄買い継続なら15倍台のフシ突破の可能性も

今年2月に12.21倍まで低下していたNT倍率(日経平均÷TOPIX)が再び最高水準に接近となっている。この10年間の最高は2013年12月の12.72倍である。

その後、2014年12月には、もう一度、12.53倍まで上昇し12.72倍と12.53倍が上値のカベとなっている。前週末には12.52倍まで上昇となっており上値のカベを突破するのか反転して下降に向かうのかポイントに来ている。

NT倍率がさらに上昇することは値ガサ優良株の人気が続くことであり、反対にNT倍率が低下するならTOPIX型の値の低い銘柄に人気が移ることを意味している。今後の銘柄選びに重要な判断を求められる局面といえる。

日経平均が上がるには、日経平均に採用されている225社の中で値動きの荒いファーストリテイリングなど5、6銘柄を買い煽れば可能で、実際、2013年と14年暮れには来年相場へのドレッシングの意味合いもあってそういった動きはあったといえる。ただ、今年2月以降のNT倍率上昇はこれまでとは明らかに違う雰囲気である。とくに、過去2回と違って今回は、「円安」に頼った日経平均上昇ではないといえる。

やはり、年金資金の買いがこれまでと大きく違うようだ。公的資金は高ROE銘柄を中心に組み入れ比率を高めるから中低位株より値ガサ優良株が中心となる。

今後、厚生年金に加え国家公務員共済、地方公務員共済、私学共済などの買いも予想され、これらの合計は10~11兆円規模ともみられている。これら資金が継続して高ROE銘柄に入ってくると仮定すれば,NT倍率は上値のフシを突破して16倍、17倍台へ向け上昇する可能性を秘めているといえるだろう。

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■9割超が対策を実施も、「WBGT」の認知は依然として低調  帝国データバンクの調査により、「熱中…
  2. ■「変身と成長」掲げ1300億円の積極投資、収益構造の転換図る  吉野家ホールディングス<9861…
  3. ■人手不足を補いながら顧客満足度の向上に貢献  シャープ<6753>(東証プライム)は5月20日、…
2025年6月
 1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
30  

ピックアップ記事

  1. ■選挙関連の「新三羽烏」の株価動向をウオッチ  足元では野党が石破内閣への内閣不信認決議案提出を見…
  2. どう見るこの相場
    ■米、イラン核施設を電撃空爆、緊張激化へ  「2週間以内」と言っていたのが、わずか「2日」である。…
  3. ■イスラエル・イラン衝突でリスク回避売りが優勢に  イスラエルのイラン攻撃を受け、13日の日経平均…
  4. ■ホルムズ海峡封鎖なら「油の一滴は血の一滴」、日本経済は瀬戸際へ  コメ価格が高騰する「食料安全保…
  5. ■トランプリスク回避へ、大谷・藤井・大の里株が浮上  『おーいお茶』を展開する伊藤園<2593>は…
  6. ■昭和の象徴、長嶋茂雄さん死去  またまた「昭和は遠くなりにけり」である。プロ野球のスパースター選…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る