【注目銘柄】アンリツは5月の調整からジワジワ戻す、「5G」関連で業界初の認証を取得

注目銘柄

■第1四半期の決算発表を7月30日に予定し業績再評価の期待も強まる

 アンリツ<6754>(東1)は7月23日、1905円(36円高)まで上げたあとも堅調に推移し、出直りを強めている。「5G」(第5世代移動通信システム)関連銘柄としての期待や注目が根強く、直近は、18日付で「業界初、5Gミリ波のRFコンフォーマンス試験でGCF認証を取得」と発表し、期待が再燃している。

■業界で初の5G・NRのミリ波RFコンフォーマンス試験の認証を取得

 発表は専門的な内容で、「同社のNew Radio RFコンフォーマンステストシステムME7873NRが、GCF(注1)から、業界で初となる5G NRのミリ波RFコンフォーマンス試験(注2)の認証を取得」した、というものだが、「ミリ波を使った5Gモバイルネットワーク商用化促進に貢献」するファクトとして注目されている。

(注1)【GCF】Global Certification Forum、携帯端末のグローバルな相互接続性を保証するため、ネットワークでの運用基準や携帯端末の認証試験基準を定めている団体。GCFにより承認された測定システム、測定項目は、そのテスト性能(測定手順、測定確度)が、携帯端末用認証試験で要求される条件に適合するものとして保証される。
(注2)【RFコンフォーマンス試験】携帯端末の送受信特性、パフォーマンスなどが3GPP規格に適合していることを確認するための試験。

■今期減益の予想はあらかた織り込んだ様子

 また、第1四半期(2020年4~6月)の決算発表を7月30日(火)15時に予定するため、発表にかけて業績動向への期待も上乗せされてくる頃合いになる。4月下旬に発表した今期・20年3月期の連結業績見通し(IFRS基準)は、増収減益の見込みとしたため、前期決算を発表したあと3割前後の調整を入れたが、このところは次第に出直ってきている。減益の予想をあらかた織り込んで、先々を展望し直す局面に入ってきたとみることが出来そうだ。

 4月下旬に発表した今期・20年3月期の連結業績見通し(IFRS基準)は、売上高が前期比2.3%増の1020億円、税引前利益が同12.0%減の100億円、親会社の所有者に帰属する当期利益は同16.3%減の75億円。1株利益は54円60銭。

 株価水準は予想1株利益の34倍(PER34倍)になり、単純に市場平均と比較すると割高感が残るが、PERには、割高・割安という判断だけでなく、将来への期待の強い銘柄ほど数字が大きくなるという面もあるため、期待の高さの表れとみることもできそうだ。(HC)

【関連記事情報】
・2019年07月16日 【5G(第5世代移動通信システム)関連銘柄】人気突出が目立った注目銘柄&波及銘柄

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■国際特許分類や元素リストを用いて多様な解決策を自動生成  AGC<5201>(東証プライム)は1…
  2. ■Newton・GR00T・Cosmosを軸にロボット研究を高速化  NVIDIA(NASDAQ:…
  3. ■700億パラメータ規模の自社LLMを金融仕様に強化、オンプレ環境で利用可能  リコー<7752>…
2025年11月
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930

ピックアップ記事

  1. ■鶏卵高騰・クマ被害・米政策転換、市場が注視する「3素材」  2025年11月、師走相場入りを前に…
  2. ■AI株からバリュー株へ資金移動、巨大テックの勢い一服  「AIの次はバリュー株」と合唱が起こって…
  3. ■日銀トレード再び、不動産株に眠る超割安銘柄  今週の投資コラムは、政策金利据え置きの投資セオリー…
  4. ■日銀据え置きでも冴えぬ不動産株、銀行株が主役に  株価の初期反応が何とも物足りない。10月30日…
  5. ■造船業再生へ3500億円投資要望、経済安全保障の要に  日本造船業界は、海上輸送が日本の貿易の9…
  6. ■高市政権が描く成長戦略、戦略投資テーマ株に資金集中  「連立政権トレード」は、早くも第2ラウンド…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る