加賀電子が十和田パイオニアをグループ化しEMS事業を一層拡大

■とりわけ「車載機器」「医療機器」の成長領域で豊富な実績を活用

加賀電子<8154>(東1)は7月25日、パイオニア(2019年3月に上場廃止)の製造子会社である十和田パイオニア(青森県十和田市)の株式を10月1日付(予定)で取得し、グループ会社化すると発表した。

■EMSを成長ドライバーと位置づけ10ヵ国/16ヵ所に生産工場

 パイオニアは、企業再建などを手掛ける投資ファンド、ベアリング・プライベート・エクイティ・アジアのもとで経営再建を進めている。十和田パイオニアは、パイオニアの製造子会社として長年培ってきたモノ作りのノウハウ、優秀な生産系人財と生産設備などを保有する。同社をグループに取り込むことで、国内で高まっている生産需要に対応し、キャパシティを増強するとともに、車載関連事業の強化を図る。

■19年1月には富士通エレクトロニクス(非上場)をグループ化

 とりわけ、加賀電子が事業拡大を進める「車載機器」「医療機器」の成長領域において、同社が持つ豊富な生産実績、生産設備設計・治具製作、品質保証体系など、有形無形のリソースを共有することは、EMS(受託生産)事業の競合他社に対して圧倒的な競争優位性を獲得することにつながる、とした。

 加賀電子では、EMSビジネスを成長ドライバーの中核と位置付けており、近年増加する要望・需要に対応して海外生産拠点の拡充を進めてきた。17年にはメキシコ、ベトナム、18年にはトルコ、インドを加え、現在では日本を含めて10ヵ国/16ヵ所にEMS生産工場を構えている。

 また、19年1月には富士通エレクトロニクス(非上場)をグループ化し、段階的に株式を取得して22年1月に完全子会社化の予定だ。19年3月期の連結売上高は2928億円だったが、中期計画では5000億円級の企業グループ実現を目指し、グループ経営の規模拡大と質的向上に取り組んでいる。(HC)

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