マーケットエンタープライズは上値試す、20年6月期大幅増収増益予想で1Q順調

日インタビュ新聞ロゴ

 マーケットエンタープライズ<3135>(東マ)はネット型リユース事業を展開し、中期成長に向けて事業ドメイン拡大戦略を推進している。20年6月期大幅増収増益予想である。第1四半期は大幅増収増益と順調だった。収益拡大を期待したい。株価は急伸して9月の上場来高値に接近している。自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。

■ネット型リユース事業を展開

 インターネットに特化してリユース(再利用)品を買取・販売するネット型リユース事業を主力としている。

 買取総合窓口サイト「高く売れるドットコム」をフラッグシップサイトとして30カテゴリーの自社WEB買取サイト運営、コンタクトセンターでの事前査定、リユースセンターでの買取・在庫一括管理・商品化、複数の主要Eマーケットプレイス(ヤフオク、楽天市場、Amazon、Ebayなど)に出店した自社運営サイトでの販売という、一気通貫のオペレーションシステムを特徴としている。

 収益面の特性としては、転居に伴う商品の買い替えや新規購入などのニーズが高まり、買取依頼・販売が集中する春季の引越しシーズンにあたる第4四半期(4月~6月)の構成比が高くなる一方で、第1四半期(7月~9月)は売上高が減少して営業損益が低水準となりやすい傾向がある。

■中期成長に向けて事業ドメイン拡大戦略を推進

 中期経営目標として3~5年の間に売上高100億円、営業利益10億円の達成を目指すとしている。収益基盤強化を目指し、事業拠点拡大の水平展開、取扱商品拡大の垂直展開、新サービス構築による事業ドメイン拡大戦略を推進する。

 水平展開では仕入基盤拡充に向けて、全国主要都市への新規リユースセンターの開設(19年6月期末時点で10ヶ所)を推進している。

 垂直展開ではM&Aやアライアンスも活用して取扱商品カテゴリー拡大を推進している。17年2月中古農機具・農業機械、18年2月中古建機・重機、18年4月中古医療機器分野に参入した。

 新サービスによる事業ドメイン拡大戦略では、16年8月光通信<9435>と合弁でMVNO(仮想移動体通信事業者)のMEモバイルを設立、17年3月宅配レンタルサービスを開始、18年1月民泊物件サイト運営のスペースエージェントと出資・事業提携に関する契約を締結、19年1月アウトレットジャパンからアウトレットモール情報メディア「OUTLET JAPAN」事業を譲り受けた。

 また19年2月プロトコーポレーション<4298>からリユース総合情報サイト運営の「おいくら事業」を承継、19年8月ENECHANGEから格安SIM・スマホ情報サイト「SIMCHANGE」運営事業を譲り受け、19年10月農業総合研究所<3541>と農業生産者支援で業務提携した。

 事業領域拡大に伴って20年6月期から事業セグメントを、ネット型リユース事業(インターネットに特化したリユース品の買取・販売に関するサービス)、メディア事業(消費者に対して有益な情報をインターネットメディアで提供するサービス)、モバイル通信事業(子会社MEモバイルの通信サービス)とした。

■20年6月期大幅増収増益予想で1Q順調

 20年6月期の連結業績予想は、売上高が19年6月期比18.0%増の100億円、営業利益が32.7%増の6億円、経常利益が32.2%増の6億02百万円、純利益が32.5%増の2億70百万円としている。既存事業の拡大、新規事業の収益化で大幅増収増益予想としている。

 第1四半期は、売上高が前年同期比50.1%増の25億98百万円、営業利益が7.8倍の1億71百万円、経常利益が8.0倍の1億70百万円、純利益が92百万円の黒字(前年同期は1百万円の赤字)だった。

 ネット型リユース事業は、家電・楽器・音響機材といった既存商材カテゴリーの取引量が堅調に推移し、農機具・建機・医療機器の新カテゴリー分野が大幅伸長した。メディア事業はモバイル通信関連が好調だった。モバイル通信事業はメディア事業とのシナジー効果で契約回線数が増加した。

 第1四半期の進捗率は売上高26.0%、営業利益28.5%と順調である。通期ベースでも収益拡大を期待したい。

■株価は上値試す

 株価は急伸して9月の上場来高値に接近している。自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。11月14日の終値は3295円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS51円85銭で算出)は約64倍、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS221円09銭で算出)は約15倍、時価総額は約172億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■銀座の呉服店「むら田」店主・村田あき子の語りをまとめた書籍  KADOKAWA<9468>(東証…
  2. ■長時間立ち仕事や長距離歩行の負担軽減、安全で快適な勤務環境を整備  日本航空(JAL)<9201…
  3. ■「ポケモンフォレスト」と「カヤツリタウン」2エリア構成、冒険とイベントを一体化  よみうりランド…
2025年12月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031  

ピックアップ記事

  1. ■日銀イベント通過で円高前提、紙・パ株が師走相場の主役候補  今週のコラムは、日銀の金融政策決定会…
  2. ■FOMC通過も市場は波乱、金利と為替に残る違和感  FRB(米連邦準備制度理事会)のFOMC(公…
  3. ■眠れる6900トンの金が動き出す、「都市鉱山」開発でリデュース株に追い風  今週の当コラムは、金…
  4. ■天下分け目の12月10日、FRB利下げで年末相場は天国か地獄か?  天下分け目の12月10日であ…
  5. ■AI・データセンター需要拡大に対応、測定能力は従来比最大2倍  リガク・ホールディングス<268…
  6. ■売り方手仕舞いで需給改善が後押し  師走相場では、リスクの大きい銘柄であっても、逆日歩のつく信用…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る