【編集長の視点】ユナイト&グロウは反落も初決算への業績期待を高め下値に直近IPO株買いが交錯

ユナイトアンドグロウ(ユナイト&グロウ)<4486>(東マ)は、前日21日に85円安の3155円と4営業日ぶりに反落して引けた。日経平均株価が、218円安と4営業日ぶりに大幅反落したことが波及し、昨年12月30日と今年1月15日につけた2800円台のダブルボトムから底上げ途上にある同社株も利益確定売りに押された。ただ、この日の安値場面の3100円台割れでは下値抵抗力を示して引けており、近く発表予定の新規株式公開(IPO)後の初決算となる前2019年12月期業績への期待を高め、下値に直近IPO株買いが交錯した。昨年12月18日のIPOに開示した今期第3四半期(2019年1月~9月期、3Q)業績が、12月期通期業績に対して高利益進捗率を示したことが見直され、買い手掛かりとなっている。

■シェアード社員の増員が続きインバウンド受注も拡大

 同社の目下集計中の前2019年12月期業績は、IPO時に売り上げ16億600万円(前期比15.7%増)、営業利益1億9800万円(同16.3%増)、経常利益1億8400万円(同4.8%増)、純利益1億2400万円(同0.8%増)と予想され、前々期の過去最高を連続更新する。中堅・中小企業の情報システム部門に対して社員の知識、スキル、経験、時間資源を効果的にシェアし顧客企業の経済価値を創出する独自のビジネスモデル「シェアード・エンジニアリング」を会員制サービスで展開するインソーシング事業で、シェアード社員などの従業員が、前期末の160人から3Q末に170人に増加し、口コミ・紹介・ネット検索によるインバウンド受注も拡大、年間顧客継続率も80%前後と高水準で推移したことなどが寄与する。なお配当は、年間8円(前々期実績8円)の安定継続を予定している。

 IPO時に開示した今期3Q業績は、売り上げ11億8600万円(前年同期比15・6%増)、営業利益1億5800万円(同2.1%増)、経常利益1億5600万円(同2.6%減)、純利益1億1100万円(同5.2%増)となり、12月期通期業績に対する利益進捗率は、79%~89%と目安の74%を上回り、業績の上ぶれ着地期待を高めている。なお今2020年12月期業績は、初決算開示時の業績ガイダンスを待たなければならないが、顧客獲得ポテンシャルの大きい首都圏エリアの50名~1000名の成長企業に特化して選択と集中戦略を展開することなどから続伸が有力となる。

■ダブル底から底上げを加速させ直近高値抜けから最高値奪回を目指す

 株価は、1270円を公開価格にIPOされ公開初日は買い気配値を切り上げたまま推移し、公開2日目に3205円で初値をつけ即ストップ高して引け、3日目に上場来高値4575円まで買い進まれ、公開価格比3.6倍となる高人気となった。その後のセカンダリーでは、配当権利落ちもあって上場来安値2833円まで調整し、初値割れは売られ過ぎとして3320円までリバウンド、年明け後は2882円まで再調整し、ダブルボトムを形成した。12月期決算発表を先取りしてIPO時の急騰相場の再現期待を高めて底上げ途上にあり、1月9日高値3320円抜けで弾みをつけ、上場来高値4575円奪回を目指そう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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