【編集長の視点】タカラレーベンは反落も3Q好決算を手掛かりにバリュー株買いの再燃が有望

 タカラレーベン<8897>(東1)は、前日30日に18円安の488円と3日ぶりに反落して引けた。新型肺炎の感染拡大で世界的な景気下ぶれ懸念を強めて、日経平均株価が、401円安と急反落し、昨年11月以来の安値となったことから、昨年12月9日につけた昨年来高値525円に肉薄していた同社株にも目先の利益を確定する売り物が出た。ただ、今年1月27日に発表した今2020年3月期第3四半期(2019年4月~12月期、3Q)業績が、大幅続伸して着地しており、今3月期通期純利益が、2期ぶりの過去最高更新と予想していることを手掛かりに下値でバリュー株買いが再燃する展開が有望視されている。今年1月29日に米国の投資ファンドが、日本の賃貸マンションに過去最大の約3000億円を投資すると報道されたことも、押し上げ材料として意識されている。

■3Q純利益は3.2倍と続伸し3月通期純益は2年ぶりに過去最高

 同社の今期3Q業績は、売り上げ968億4300万円(前年同期比30.4%増)、営業利益61億7600万円(同2.32倍)、経常利益56億6700万円(同3.16倍)、純利益38億5500万円(同3.24倍)と大幅続伸して着地した。不動産販売事業の新築分譲マンションが、今期予定引渡戸数1950戸に対して契約戸数が1791戸と91.8%の契約進捗率と前年同期の84.4%を大きく上回り、同事業の売り上げが21.0%増となり、発電事業の売り上げも、稼働済み9施設の売却収入やそのほかの発電施設の売電収入により同2.22倍となり、不動産管理事業の売り上げも、管理戸数の5万7534戸の管理収入により同11.7%増となったことなどが寄与した。

 今3月期通期業績は、期初予想に変更はなく、売り上げ1600億円(前期比21.2%増)、営業利益130億円(同29.4%増)、経常利益118億円(同30.7%増)、純利益80億円(同24.5%増)と売り上げは2ケタの続伸、利益は2ケタの増益転換を見込み、純利益は、2018年3月期の過去最高(73億6700万円)を2期ぶりに更新する。また今期配当も、年間19円(前期実績16円)と増配を見込んでいる。

 なお米投資ファンドの過去最大の賃貸マンション投資は、日本の不動産利回りが、超低金利の資金調達コストを考慮すると世界的に高いことが背景で、今後も海外勢の積極的な参入が続くと観測報道されており、タカラレーベンの今期売上総利益を前期比24.2%増と予想している不動産賃貸事業に追い風になると関連株人気を高めた。

■中間配当の権利落ち安値から上昇一貫もなおPER6倍台、配当利回り3.8%

 株価は、中間配当の権利落ち安値408円から今期第2四半期業績の大幅増益転換業績などをテコにバリュー株投資が再燃して上昇一貫、昨年来高値525円まで29%高した。年明け後は、AI(人工知能)の第一人者の慶應義塾大学の武藤佳恭教授とアドバイザリー契約を締結して小戻す場面もあったが、新型肺炎の感染拡大による世界同時株安が響いて470円まで調整、3Q好決算発表とともに昨年来高値に肉薄する出直りを鮮明化し、高値調整場面となった。PERは6倍台、PBRは1.11倍、年間配当利回りは3.89%と依然として割安で値ごろ妙味も抜群で、昨年来高値抜けから2018年1月高値545円を奪回し、2017年1月高値779円を目指そう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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