【株式評論家の視点】東京ボード出直る、木質廃棄物を原料、焼却を行わない木材のマテリアルリサイクルが評価

株式評論家の視点

東京ボード工業<7815>(東2)は、1791円と25日線を突破し本格出直りに転じている。

同社は、昨年12月25日に東京証券取引所市場第2部に新規上場。同社グループは、同社と、連結子会社4社(ティー・ビー・ロジスティックス株式会社、TB関西物流株式会社、横浜エコロジー株式会社、株式会社カリブ)の計5社で構成されている。「リサイクリングで地球環境の未来を創る」の経営理念のもと、木質廃棄物を再資源化して製造した「パーティクルボード」の販売を通し、地球環境への負荷を低減することを目的とした木材環境ソリューション事業並びにファシリティ事業を営んでいる。

同社グループは市場ニーズに合致した製品開発とサービス向上を図り、積極的な販売活動を推進している。

前2014年3月期・第3四半期業績実績は、売上高が46億1400万円、営業利益が6億4800万円、経常利益が6億1000万円、純利益が4億8400万円に着地。

前期業績予想は、売上高が63億9800万円(前の期比8.3%増)、営業利益が7億4600万円(同12.1%減)、経常利益が7億2100万円(同11.2%減)、純利益が4億9700万円(同12.5%減)を見込んでいる。接着剤原料や光熱費などのコスト上昇に対応するため、仕様の見直し及び製造コスト削減奏功しており、年間計画は達成できる見通し。年間配当予想は、1株当たり年間20円、東証第2部に株式を上場したこと記念して、1当り10円の記念配当を実施する。これにより、期末一括30円(同18円増)を予定としている。

株価は、昨年12月25日の上場日に2060円と買われた後、1月13日に安値1588円まで調整を挟んで3月24日高値1845円と上昇。その後、モミ合いとなっている。米海洋大気局(NOAA)は6日、今年3月の世界の大気中の二酸化炭素(CO2)平均濃度が測定開始後初めて400PPM(PPMは100万分の1)を超えたと発表しており、同社がほぼ100%木質廃棄物を原料とし、焼却を行わない木材のマテリアルリサイクルを実践していることが見直されると予想する。

今16年3月期増収増益が観測されており、14日に予定される決算発表を機に出直る動きを強める可能性はありそうだ。(株式評論家・信濃川)

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