【注目銘柄】ユニデンHDは続落も銀座ビル引き渡しで業績上ぶれ期待が底流し売られ過ぎ訂正期待

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ユニデンホールディングス<6815>(東1)は、前日22日に93円安の2154円と4営業日続落して引けた。日経平均株価が、278円安と3日続落し全面安となるなか、同社株にも目先の利益を確定する売り物が優勢となった。ただ同社は、今年11月20日に譲渡を発表したユニデン銀座ビル(東京都中央区)の引き渡しを前週末18日に終了しており、この譲渡益により今2021年3月期予想業績の上ぶれ期待が底流しており、下値に売られ過ぎ訂正買いが再燃する展開も想定される。株式需給的にも、同社の役員持ち株会が設立され、米投資ファンドの保有も明らかになったことが見直される可能性もある。

■今期純利益は黒字転換し特別利益約36億円が上乗せ

同社のユニデン銀座ビルは、賃貸用事業不動産として保有されており、経営資源の有効活用を図るために譲渡され、11月20日に売却契約が締結され、引渡期日は12月18日と予定されており、特別利益として35億6700万円を計上する。今2021年3月期業績への影響は精査中で、確定次第に速やかに公表するとしている。

その2021年3月期業績は、今年9月30日に初開示され売り上げ190億円(前期比5.2%減)、営業利益16億円(同2.93倍)、経常利益13億5000万円(同3.00倍)、純利益9億円(前期は4億6300万円の赤字)とV字回復が予想されている。前期計上の不適切会計処理にかかわる特別調査費用や遊休化車両の減損損失が一巡し、北米で前期リリースのレーザーディテクターの高価格帯の新機種が好調に推移し、スキャナーも、巣ごもり需要が増加したことなどが寄与する。なお東洋経済会社四季報最新号は、今期純利益を特別利益の上乗せで34億円と観測している。

今年11月11日に発表した今期第2四半期(2020年4月~9月期、2Q)累計業績も、売り上げ78億1800万円(前年同期比16.6%減)、営業利益10億4300万円(同10.2%増)、経常利益10億400万円(同20.3%増)、純利益7億5800万円(同2.24倍)で着地し、利益は、増益転換し通期予想業績に対する進捗率は、65%~84%と目安の50%を上回った。また今期配当は、年間50円(前期無配)と2期ぶりの復配を予定している。

■PBR13倍、PBR0.4倍と割り負け25日線からの下方かい離を修正

株価は、前期第3四半期(3Q)業績の発表遅れにコロナ・ショック安が重なって年初来安値1420円と売られ、いったん2000円台までリバウンドしたものの、前期3Q決算悪で再度1487円まで調整し、前期業績の発表、今期業績のV字回復予想で上昇トレンド転換した25日移動平均線で下値を確認しつつ上昇し2380円まで切り返し、固定資産譲渡とともに年初来高値2477円へ上値を伸ばした。足元では、このところの4営業日続落で25日移動平均線下抜き、25日線から7%超のマイナスかい離と売られ過ぎを示唆し、PERは13倍台、PBRは0.45倍と割り負け、とくにPERは会社四季報観測ベースでは3倍台となる。まず25日線からのマイナスかい離を修正し年初来高値2477円奪回を目指そう。

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