ケイアイスター不動産がRPA・AI-OCRにより1万4000時間を超える工数削減に成功

■本格運用から1年2ヵ月で達成、今期末には3万時間の削減めざす

 ケイアイスター不動産<3465>(東1)は5月31日、RPAとAI-OCRを活用したデータドリブン経営によって、本格運用開始から2021年3月末までの1年2ヵ月で1万4000時間を超える工数削減に成功したと発表し、22年3月期にはこの2倍以上である3万時間の削減を目指すとした。

 6月1日の株価は4945円(130円高)をつけて約2週間ぶりに上場来の高値を更新している。

 RPA(Robotic Process Automation)は業務のロボット化、業務自動化ツール。AI-OCR(AI Optical Character Reader)は、OCR:光学文字認識による書類自動読み取り・データ化ツール。

 新築戸建分譲事業における管理データの情報量は多大で、集計・分析にかなりの労力がかかっていた。また、成長拡大によって販売棟数が増加し、それに伴って膨らむ業務や人員コストに対しての効率化が課題となっていた。

 そこで、同社では、IT成長戦略として【高回転経営:AI、BI、RPAを活用したデータドリブン経営による在庫回転率、生産性向上】を掲げ、2019年7月に専門部署を新設。当初は建築の工程管理に関わるものから導入したが、契約に関するものや、財務経理に関する事務作業などに範囲を広げ、これまでに活用してきたRPAは累計57事案となっている。

 購入者と取引の多様性、スピード重視の競争環境における優位性の確立および、購入者のさらなるニーズに適切に応えられる生産体制を整えることを目的に、BI・RPA・AI-OCR技術による徹底した可視化・自動化を実現させた。新築戸建分譲事業における戦略立案やその実行管理のスピードと生産性向上を重点施策として、システムの運用を進めている。

 RPAは、従業員1人を活用する場合の1/3のコストで導入する事ができ、さらに3人強の事務作業を行う事が可能。販売棟数増加に伴う煩雑な事務作業の担い手として、積極的にロボット従業員として活用する事で今後のさらなる生産性向上を可能にする。

 現在、同社では、RPAを使ってロボットを57体作成し、単票から一覧への転記や一覧から単票への転記など、従来は人が手作業で行わざるを得なかった業務を自動化し、さらに設計部門における確認申請、確認受理、各部署への図面配布から着工可能日など工程管理のデータ化や問題の可視化を実践している。これらRPA・AI-OCR技術を活用し、本格運用開始から21年3月末までの間で1万4000時間を超える工数削減に成功した。

 21年3月期は同社グループ全体で約5000棟を販売し、前年比で約122%、また利益率は95.5%増の成長となった。このRPA・AI-OCRの活用による業務効率化は、同社の成長拡大の重要な下支えとなっている。

 6月からは新たなRPA製品を導入し、基盤を強固にしながら、様々な部署からよせられる、個々の業務の自動化ニーズにより広範かつ迅速に応えていく計画。今後もさらなる工数削減を目指し、22年3月期はこれまでの実績の2倍以上である3万時間の削減を目指す。(HC)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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