カルナバイオサイエンス、ギリアドとのライセンス契約は継続、GS-9911除外後も有効

■2019年締結のDGKα阻害剤ライセンス契約、ギリアドの経営判断でパイプライン除外

 カルナバイオサイエンス<4572>(東証グロース)は9月9日、米ギリアド・サイエンシズ社とのライセンス契約に関する状況を発表した。同社は2019年6月、独自に創製したDGKα阻害剤の創薬プログラムについて、開発・商業化にかかる全世界での独占的権利をギリアド社に供与する契約を締結している。同契約には、開発化合物GS-9911を含むすべての化合物が対象となっている。ギリアド社は同プログラムからGS-9911を選定し、2023年12月に固形がん患者を対象としたフェーズ1試験を開始した。

 しかし、2025年8月7日に公表されたギリアド社の第2四半期決算資料において、GS-9911が「Removed from pipeline」と記載され、パイプラインテーブルから除外されたことが判明した。同社は8月8日にこの状況を公表しており、その後ギリアド社からは「ポートフォリオ内での優先順位の変更を反映したものであり、パイプライン表から除外した」との説明を受けた。つまり、科学的根拠や安全性の問題による中止ではなく、同社の経営判断によるものであることが示された。

 カルナバイオサイエンスは、この状況を踏まえ、ライセンス契約の有効性や今後の方針についてギリアド社の意向を改めて確認した。その結果、ギリアド社から「現時点で契約終了の意向はない」との回答を得た。同社はライセンス契約が引き続き有効であることを強調するとともに、今後GS-9911を含む創薬プログラムの新たな進展や方針に関する情報が得られ次第、速やかに公表する方針を示した。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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